盛岡タイムス Web News 2012年 9月 2日 (日)

       

■ 〈わが歳時記〉9月 高橋爾郎

 例年にない猛暑の8月だったが、この暑さはいつまで続くのだろうか。カレンダーでは7日は気界冷却して露の白き白露、22日は秋の真中、昼夜平分の秋分、30日は薄(ススキ)を切って立て、里芋、団子、果物などを供えて月見をする十五夜である。また17日は敬老の日だ。ことしも町内会長さんから「祝う会」にうれしいお招きを頂戴している。ぼくもいつのまにか後期高齢者という(あまりありがたくない)呼び名を頂く世代に入ってしまった。だが神様から頂いたいのちだから、1日1日を大切にして生きてゆきたいと思っている。
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  きょうと明日は地域の氏神さま熊野神社の祭典だ。ぼくらは敬愛を込めて「熊野さん」と呼んでいる。朝早く鎌と熊手を持って掃除に行く。参道の草を取り、境内の草を刈ってきれいにする。それが終了すると、それぞれ手分けをして注連縄(しめなわ)を張り、提灯を吊(つ)り、のぼり旗を立て、舞台に紅白の幕を張り、事務局のテントを張って準備完了である。

  宵宮祭りはさんさ踊りだ。お接待は青年たちである。来た人たちには老若男女を問わず焼きそば、ホットドッグ、枝豆、漬物、焼酎、清酒、ビール、ジュース、かき氷などが振る舞われる。飲み放題、食べ放題だ。踊った人には子どもも大人も参加賞が出る。テーブルには賞品が山のように積まれている。お菓子の袋、玩具の箱、陶器や鍋や大きな箱はシーツ、タオルケット、毛布などらしい。袋に入った胡瓜(キュウリ)、ジャカイモなどもある。山と積まれた参加賞をもらい皆が喜んで帰っていく。

  さて、きょうは例祭だ。お天気は上々。出し物は各班からの歌や踊りや手品など。尺八の名人もいる。司会者もなかなか手慣れたもの。そっち、こっちから声が飛び拍手がひびく。有志からお花がつぎつぎと出る。大きな紙に書かれて貼り出され「飯岡新田、橋爾郎さまより、一金1万5千也、1万5千也」マイクで高々と披露される。5千円のお花が3倍で披露されるのだ。田ん圃(ぼ)の穂もふさふさと穂を垂れ、晴天に恵まれた、盛大な地域の秋祭りであった。
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  今年は胡瓜が大豊作だ。せいぜい10平方bに過ぎない胡瓜畑だが、なるわ、なるわ、毎朝30本、多いときは40本は取れる。1日行かないと化け物みたいになっている。胡瓜の採取は日課なのだ。食べ切れぬので塩漬けにする。漬け込むのもぼくの仕事だ。4斗樽に毎日漬け込んでゆく。真白くなるまで塩をふり、びっしりと重しを置く。漬け込んだ下からひっくり返してかきまぜる。もむようにかきまぜる。ハリハリとした歯応えの漬物にするためである。この作業も9月中頃まで続きそうだ。
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      爽やかや一児得て髭濃くなれり     木附沢麦青

      鰯雲村に残るは老いばかり       高橋 青湖

      北に見る姫神岳や天の川        岩動 炎天

      ふるさとの方へ流れて銀河濃し     川原 道程

      どうみても秋刀魚の耳はなかりけり   川村 杳平            (歌誌編集者)


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