盛岡タイムス Web News 2012年 9月 5日 (水)

       

■ 恵みの雨望む農家 野菜、果実に影響大きく

     
  ブドウの木に水をまく紫波観光ぶどう園の職員  
  ブドウの木に水をまく紫波観光ぶどう園の職員
 

 8月は県内全域で記録的な少雨を観測した。気象庁によると、盛岡市の8月の月間降水量は平年の183・8_を大きく下回る52・5_だった。1924年の観測開始以降8番目に降水の少ない8月となった。少雨は農作物、特に野菜や果実に大きな影響を与えている。実りの秋を前に、農家は恵みの雨を待ち望んでいる。

  紫波町佐比内の紫波観光ぶどう園(高橋敬次オーナー)では、4fの敷地にある約2千本のブドウの木1本1本に水道水を使って水まきを行い、急場をしのいでいる。ブドウに水まきを行うのは初めてと同園の細川千春さん(48)は話す。「ブドウはもともと乾燥に強い植物だが、さすがに限度がある。雨除けのビニールも張っているので、少し降ったくらいでは根に水がいかない」と現状を語る。

  園内を見ると、土は乾燥し、一部の葉は枯れたように変色していた。ブドウは雨が少ないと粒が小さくなり、みずみずしさも失われるという。同園は今後、高温障害にも細心の注意を払い、対応していくという。細川さんは「ここまで雨が降らないのは記憶にない。一度に降られるのも実が割れてしまうので困りますけど、ここまで降らないのも困ったものです」と、天気予報に注目していた。

  同町内の約1千fの農地の水源を管理する水土里ネット紫波の紫波東部土地改良区でも、農家から水不足について相談を受けたという。同区では、北上川の取水口付近の土砂を撤去するなど、水源の管理、供給を行った。藤井一義総務課長は「この辺りは特に雨の降らない場所。天気予報は毎日見て、毎日裏切られる」と困り顔だった。

  盛岡農業改良普及センター(工藤英夫所長)によると、少雨による乾燥でネギや大豆などの生育、品質に影響が出ているほか、ダニなど虫の発生が懸念されているという。高橋晋普及課長は「虫害の適切な防除、樹勢回復の対策を立ててほしい。今後収穫期が近づく。品質をしっかり見て、適期を見極めてほしい」と話していた。

  4日夕方に発表された盛岡地方気象台の週間予報によると、内陸は11日まで晴れか曇りで、降水確率は高くて40%。最高気温、最低気温ともに平年よりかなり高くなるとの予報が出ている。仙台管区気象台発表の東北地方の1カ月予報によると、太平洋側の天気は数日の周期で変わり、平年と同様に曇りや雨の日が多い見込みとなっている。


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