盛岡タイムス Web News 2012年 9月 11日 (火)

       

■ 震災から1年半 復旧・復興に課題多く 雇用や人口減、土地利用 4万人が今も仮設住宅

 東日本大震災津波から11日で1年半が経過した。沿岸被災地は、地元企業の再操業や高台への集団移転事業のスタートなど復興へ向けた歩みが進む一方、雇用のミスマッチや人口減、進まぬ土地収用など依然として多くの課題を抱えている。盛岡広域市町村では、沿岸被災地への職員やボランティアの派遣、内陸避難者への支援活動など、沿岸の復興を後方から支える活動が続く。大きな被害がなかった内陸地域では震災の記憶の風化も懸念され、一人ひとりが果たすべき役割が改めて問われる。

  県のまとめによると、東日本大震災津波による死者は9月5日午後5時現在で4671人、行方不明者1205人(うち死亡届け受理1132人)、家屋倒壊数2万4212棟。

  仮設住宅には約4万人(応急仮設住宅1万2920戸・2万9935人、見なし仮設3980戸・1万0553人=8月3日現在)が生活する。

  達増知事は10日の定例記者会見で「1年半が経過しても、つらい状況が続いていることにお見舞い申し上げたい。県としてもしっかり取り組んでいかなければいけない」と述べた。

  県は今年度に入り復興計画を見直し、8月に改訂版を策定。各市町村も社会資本の復旧・復興ロードマップを示してまちづくりを加速させている。達増知事は、県や市町村では「それなりの取り組みができている」と評価する一方、国には「復興予算の使われ方や復興計画の評価、見直しがきちんとできていない」と批判。

  中小企業の再生を促すグループ補助金の財源不足や復興交付金の使い勝手の悪さ、土地の処理に関わる国の制度の改革の必要性などを挙げ「現場に寄り添いながら何が必要かしっかり把握し、国へ発信していかなければいけない」と述べた。

  県の復興実施計画の進ちょく状況を見ると、水産業の復興など順調に復興が進む分野がある一方、沿岸部で安定した雇用の場が確保できず、人口減に歯止めがかからないなど課題も目立つ。県の先月の発表では、沿岸12市町村の人口総数は25万6600人余りで、震災前に比べ1万6千人余り減少した。

  各市町村は高台への集団移転事業、浸水地域のかさ上げなど復興のまちづくりを進めているが、権利者が被災したり、亡くなったりして複雑になった土地の処理に、既存の制度で対応しなければならず、膨大な時間を要している。もともと高台の平地が少ない沿岸部では土地確保そのものが難しく、制度の抜本的な見直しや必要な職員の手当てが急がれる。

  盛岡地域で避難生活を送る被災者は、各市町村や社会福祉協議会のまとめで盛岡市が739世帯1531人(8月末現在)、八幡平市が9世帯16人、紫波町が64世帯154人、矢巾町が51世帯124人、雫石町が16世帯45人、滝沢村が126世帯266人。




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