盛岡タイムス Web News 2012年 9月 20日 (木)

       

■ 移転需要が下げ幅抑制 12年度県内地価調査 沿岸8地点がプラスに転じる

 県は19日付で2012年度の県内地価調査結果を公表した。住宅地は12年連続下落する中、昨年の震災後に大きくダウンした反動で、沿岸8地点で上昇が見られた。商業地は19年連続の下落。被災地では移転需要から一部に横ばいの地点が見られた。住宅地は陸前高田市米崎町で14・6%増となり、全国1位の上昇率を示したが、震災前の価格を回復するに至らなかった。県内の1平方b当たりの平均価格は、住宅地2万5300円で前年比3・8%減、商業地4万9800円で同5・7%減となった。

  地価調査は県が7月1日時点で県内33市町村395地点で実施。不動産鑑定士の評価に基づき、県が基準値の標準価格を判定した。

  住宅地は265地点で調査。11年度調査で震災の影響により地価が大幅に下落した沿岸地域では、一部で上昇や横ばいの地点が見られた。県全体では人口減や景気の先行き不透明を背景にした住宅地の需要減退などにより下落したが、昨年は皆無だった横ばい地点が10カ所、プラス地点が8カ所表れた。前年度より継続調査した257地点の平均変動率は3・8%減となり、下げ幅は縮小した。

  上昇したのは沿岸市町村の8地点で、最も上昇率が大きかったのは、「陸前高田市米崎町字松峰59の7」の1万5700円、14・6%増で、全国1位の上昇率となった。同地点は前年度は震災の影響で大幅に下落し、今年度は復興により震災前価格への回復の動きが見られたが、震災前の1万6300円には及んでいない。下落率の最も大きな地点は「盛岡市山岸4の16の18」の9・1%減だった。

  価格水準で見ると、1位は「盛岡市盛岡駅西通2の15の27」8万4300円で同5・8%減、2位は「同市馬場町6の7」8万円で同4・8%減、3位は「同市住吉町8の34」7万9500円で同5・5%減だった。

  商業地は65地点で調査。沿岸地域では震災による移転需要から一部に横ばいの地点が見られたが、県全体としては空き店舗の増加や郊外への購買力流出に伴う商店街の空洞化などにより、19年連続下落した。

  前年度から継続調査した63地点の平均変動率は5・7%減で、下げ幅は縮小した。県内で上昇した地点はなく、下落率の最も大きな地点は「花巻市大通り1の14の31」で、変動率は12・4%減だった。

  価格水準で見ると1位は「盛岡市盛岡駅前通8の17」24万8千円で対前年比5・7%減、「同市菜園2の7の30」22万5千円で同5・9%減。「同市盛岡駅前通13の21」15万円で同5・7%減となり、上位3位は昨年と同じ、10位までの下げ幅はいずれも前年より縮小した。

  平均変動率では住宅地は、前年度は震災による鉄道など公共交通施設、公共施設、港湾施設など都市機能喪失の影響から下落率が拡大したが、今年度は復興に伴う都市機能の回復などにより、震災前価格に回帰する動きが見られた。一部の市町村で地価が上昇したが、沿岸12市町村平均では1・3%下落した。

  横田不動産鑑定の横田浩氏は「各市町村の復興計画が見えない状況で、防災集団移転促進事業があり、今まで住んでいたところを市や国が買い取り、そのお金で公営住宅に住んでもらうか、市が造成する移転候補地に住んでもらうことになる。それも現実的には来年や再来年に移転できるように見えない。自分が住んでいたところを買ってもらうにしても金額の問題もあるし、地域的に皆さんが移転するのにも同意が図られない。何とか自分でお金がある人は移転している状況ではないか」と話す。


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