盛岡タイムス Web News 2012年 9月 21日 (金)

       

■ 〈学友たちへの手紙〉94 八重嶋勲 熊公はどうも体屈だ、体屈だと云って

 ■131巻紙 明治三十六年二月二十八日付

宛 東京飯田町四丁目三十一番地 日松舘 野舘(村)長一様 親展
発 杜陵盛岡市八日町八三 下閉伊卿友会自炊部  工藤專助

なくり書き眞平御免なせへ

拝啓度々御手紙を忝ふし御迷惑恐入候、貴紙を得て直ちに市役所へ参り尋ねきゝ申候處、仰せの如く検査前に差出せバ宜敷きよし、三月一日云々ハ此日以前に学校(猶豫なるべき)に居るものが猶豫願を出すべき期限、其後猶豫されるべき学校に入学したるものハ検査日前に願書出すべきものと法令を解繹施行居るよし(勿論法令に右様の事ハなきも)聞及び先づ胸をなで下ろしたる次第に候、

小生が地方の検査ハ四月廿三、四日よりの趣然しこんな事でいつまでもぐづぐづするも気のきかぬ事なり、又小生へハ役場よりの注意もあれバ、三月(に)なったらバ、入学して證明書を貰ふ様御運びを願上候、

小生ハ御鑑定の通り高商と云ふ目的に候へ共、未だ何うなるやら決定ハ致さず候、ついてハ此事決定の為め三月中頃に一寸家卿に行くべく、出京ハ(するとしても)桜に間に逢ふ間敷候、

願ハくハ小生此度三月中頃に帰郷の節迄に證明書ハ出来間敷くや、若し出来るなれバ其時持参して役場にて取極め申すべけれバ好都合此上なく候、

其後の月謝つまり証明書を貰ふ外に長々入学し居る事ハ必要なかるべしとの市役所兵事係の談なれど念の為入学し居るも安全なるべく貴兄には如何うする積りか。策修等の費用不足にや、不足なれバ送る、貴紙此處  I can not understand

君に非常に御苦勞を掛ける上にホ(ポ)ッケットm(マネー)を浪費せしむるべく余ハあまり申譯なくある、
熊公ハどうも体屈だ、体屈だと云って、時ニハ我自炊窟を訪づれる、僕もしばしば彼が庵を犯して邪魔をする、一体全体熊公の外には佐々木君ハあまり遠し、どうも人がねえ。僕ハまだ合はんが、宮川先生も来て居るとの事、熊公の談にや彼ハ気焔当るべからずだとさ。

村井さんも来て居るそうだ、體の工(具)合が悪いので七月頃迄遊ぶとか、
盛岡ハやっぱりいつもの盛岡だ、唯何處へ行っても不景気の声を聞く許り、只今芝居などハ両方開場僕も一回見ましたが、藤沢を、迚も見られません、

明日は撰(選)挙だとの事なれば、一向さび敷候、
熊公ハ三月の廿七、八日頃御地へ出掛けると云ひ居候、僕は何日になるやらまださっぱりわかません、餘は後便
                              辰より
    勝兄へ

  【解説】例の徴兵猶予願に関わる手続きの仕方について問い合わせをして、長一のいうとおりであったと、いっている。


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