盛岡タイムス Web News 2012年 9月 26日 (水)

       

■ 〈日々つれづれ〉140 三浦勲夫 節目

 私のパソコンのインターネットの動作が極めて遅くなった。立ち上がりは普通だが、インターネット部分が3分ぐらいかかる。専門店に持ち込むと、マイクロソフトのプログラムそのものがおかしくなっており、いったん全部初期状態に戻し、保存情報を取り出して再び入れ直すことが必要で、最低4日の時間が掛かるという。

  そのように処置することを依頼したが、ないと不便である。使えるパソコンと言えば、非常勤校のものがあるくらいだ。それを使わせてもらおうと思いついたが、疲れたのでひと眠りした。目覚めて考えた「もう1台パソコンを買おう。万が一、片方がダウンしても他方が使えるし、夫婦で使える」。

  4日間は不便だが、その間、頭と手をもっと使おう。昨夜まで講話原稿の要旨を考えていたが、今度は手書きで補充しよう。いや外付けのメモリー器具に保存した文書もある。学校のパソコンでそれが開ける。プリントアウトもさせてもらえる。

  このように考え及ぶと心は落ち着き始めた。パソコンが2台欲しいということは夫婦でも話していた。その時がめぐってきたことになる。最近、必要に迫られて行うことが多い。家のリフォーム工事を今年行った。6月から8月まで2カ月半かかった。しかし不要な家具や道具を処分したら、部屋が広くなった。新しい浴室を娘は喜ぶし、歩行器に乗った孫はバリアフリーの床をクルクルと自由に動き回ってご機嫌だ。

  必要に迫られる。これはものの節目、時の節目ということだ。節目を継いで歴史は刻まれる。パソコンも修理して使えるうちは良しとして、結局破棄せざるを得ない時がやってくる。新品が必要となる。家もリフォームを重ねられるうちは重ねるが、やがて新築をしなければならない時がくる。自分がやるか、子どもがやるかだ。

  それぞれの代で節目を継ぐこともある。数世紀を費やして建造し完成する大寺院もある。到底、一代では不可能な事業である。日本も中国も韓国も北朝鮮も、どの国もその歴史を営々として何千年の昔から積み上げてきているのだ。その間に大海原の遠隔の小島が、さまざまな人に上陸されてきた。上陸しては去り、去っては上陸して、利用されてきた。

  いや大陸だってその通りだ。人類はアフリカ大陸から、中東へ、ヨーロッパへ、中央アジアへ、極東へ、極北へ、北アメリカへ、南アメリカへ、南アジアへ、太平洋の諸島へ、オーストラリアへと移動、定住してきた。土地の私有化、公有化が始まり、所有権も戦争などで交代した。

  所有権の要求が相互に繰り返されてきた。実効支配もあり、実力占拠もあり、共同管理、共同利用もある。戦争や領有権争いが時に熱く勃発する。節目の熱い火を燃えさからせないためには、まず政府間が冷静に対応し、民間も冷静に行動する必要がある。
(岩手大学名誉教授・元放送大学客員教授)


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