盛岡タイムス Web News 2012年 9月 30日 (日)

       

■ 時代に続くよ鉄道林 田沢湖線で県内初の更新 JR東日本

     
  秋田新幹線「こまち」が走るのを見ながら植樹する参加者  
  秋田新幹線「こまち」が走るのを見ながら植樹する参加者  

 滝沢村高森地内の田沢湖線の大釜1号鉄道林を更新する植樹祭が29日、現地で行われた。JR東日本が岩手県内で初めて行い、同社管内と滝沢村から約1300人が参加。沿線に1万本の苗木を植えた。JR東日本は20年計画で管内の更新期を迎えた林を順次、植え替えている。参加者は走行する「こまち」を見ながら植樹に汗を流し、鉄道の保安と地域の環境整備に力を合わせた。

  開会式ではJR東日本の清野智会長が「1200カ所約4千fの防風と吹雪防止の鉄道林がある。4千fは東京ドーム200個分があちこちにある。その手入れが行き届かず、2008年から20年かけて鉄道林を復活させる。ここは吹雪防止で1941年にできた。そのときからスギだったが、単なるスギだけでなく、いろんな土地に根ざした木を植え、鎮守の森ができて鉄道を守ってくれるようにしたい。ここに鉄道林がなければ鉄筋コンクリートの防護柵を作るが、それより国鉄の先輩が守ってきた林と自然を次の世代に伝えていく意気込み」とあいさつ。

  県の上野善晴副知事は「きょうは1千人を超える人が集まり、広葉樹を20種類ほど植えて新しい鉄道林を整備する。鉄道林は防災、土砂崩れや風雪を防ぐため造られた。岩手は冬が長く、大事な役割を果たしてきた。新しい鉄道林は従来から果たした防災の役割に加えて環境についての役割も果たす広葉樹。美しい景観が保たれ、地域の環境保全に役立つ」と祝辞を述べた。

  滝沢村の柳村典秀村長は「子どもたちに滝沢村の自慢は何か聞くと雄大な自然と口々に言う。岩手山をはじめ緑あふれる木々を見ながら通学すると気持ちが晴れ晴れする。まさにこの場所に植樹する広葉樹は紅葉が見事になると思う」と楽しみにした。

  横浜国大名誉教授の宮脇昭氏が林学を指導し、植樹する苗木の品種を解説した。これまでの針葉樹主体の鉄道林から、ミズナラ、コナラ、カシワ、ブナ、ヤマザクラなどを植えた混交林に更新する。宮脇氏は「生命には差があり、競争と我慢の中で生きていく。差があるからと言っておかしな目で見なければ、学校のいじめ問題もなくなる」などと述べた。

  参加者はブロックごとに苗木を植え、線路脇の黒土を緑にしようと精を出した。

  盛岡ターミナルビルの西野忠晴さん(59)は「木を植えれば酸素を出すし、CO2を吸収してくれる」と話
し、環境への役割を期待。滝沢第二小1年の千葉諒汰君は「ケヤキやヤマザクラを植えて楽しかった」と話していた。


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