盛岡タイムス Web News 2012年 10月 11日 (木)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉317 八木淳一郎 小さい秋

 秋も深まり、星空はもうすっかり秋の星座が主役の座を占めるようになりました。ご存じのように、秋の星空といえば、古代エチオピア王家にまつわる星座が代表です。しかし、その他にも小さな目立たない星座がいくつかちりばめられています。かわいらしいこれらの星座たちを一度探訪してみてはいかがでしょう。

  どんなものがあるのか列挙してみますと、こうま座、とかげ座、さんかく座、おひつじ座、うお座、きりん座、などなどですが、どうでしょう。おひつじ座やうお座の他はあまりなじみのないものばかりですね。むしろ、ええっ!こんな星座があったの?となるのではないでしょうか。きりん座と聞いて反射的にビールを冷蔵庫から取り出すようでは、いよいよ○○○ー○依存症の心配がありますが、それには目をつぶるとして、北の空に目を向けてみましょう。

  北極星の周りに古代エチオピア王家のケフェウス王をあらわすケフェウス座と有名なW字形をしたお妃のカシオペア座があり、その隣にきりん座があります。かつてはらくだ座という名前でしたが、星の並びからはどちらがふさわしいか難しいところです。物語からすれば、王様やお妃様が乗るらくだの方が似つかわしいのですが。

  こうま座というのは、天馬ペガススの鼻先の位置にあって、名前のごとく大変小さな馬をあらわした星座です。その大きさは、南半球でしか見えないものも含めた全天88星座のうち2番目に小さいものです。ちなみに一番小さいのは南十字星で有名なみなみじゅうじ座です。神話ではこうま座はペガスス座の兄弟ということになっていますが、同じ枠にある2頭の馬、と聞いて岩山の競馬場に行くプランをを立てる人がいらっしゃるのでは。競馬観戦に双眼鏡は便利なものですが、ぜひペガスス座やこうま座あたりにも向けてみてください。ひょっとしてあたり(当たり)が出るかも…。

  さんかく座はアンドロメダ座のすぐ下(南側)、おひつじ座との間にある小さな二等辺三角形の形をした星座です。ここにはM33という見事な渦巻き銀河があって、空が良ければ双眼鏡で見ることができます。3が並びましたがこれはしゃれではなくて偶然です。さんかくという名前から想像すると比較的新しく命名された星座のように思いますが、紀元前400年頃からある由緒あるものです。南の空にはみなみのさんかく座というのがあって、こちらは17世紀初めに作られました。さんかく座はこれまたとても小さい星座ですから、慣れないうちは見つけるのに難儀するでしょう。見つけられないからといって、目を三角にして怒ったりしませんように。
(盛岡天文同好会会員)


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