盛岡タイムス Web News 2012年 10月 12日 (金)

       

■ 危機管理に自治体の絆 全国都市問題会議 防災の「安保」提唱も

     
  盛岡市を会場に開幕した全国都市問題会議の開会行事  
  盛岡市を会場に開幕した全国都市問題会議の開会行事
 

 全国の市や市議会、学識者が集う第74回全国都市問題会議(全国市長会など主催)は11日、盛岡市内丸の県民会館で開幕した。東日本大震災津波被災地の本県・盛岡市が会場として選ばれた。全国から約1600人が参加。今回は「都市の連携と新しい公共〜東日本大震災で見えた『絆』の可能性」をテーマに、都市問題やこれからの地方自治について12日まで議論される。

  全国市長会長の新潟県長岡市の森民夫市長は開会式で「全国の各都市が仲間を助けるという意味で支援、一つの絆が震災で生まれた。ムードだけでなく意味のある言葉に変える。これが1年半、私たちが行ってきたこと。住民の苦しみや要望をともにし、復旧復興を進めるのは基礎自治体の責務だ」と訴えた。

  谷藤裕明盛岡市長は歓迎あいさつで復興支援に感謝しながら「震災で浮き彫りになった課題から、大規模災害時の自治体間連携や復興の大きな力となっている市民や企業、ボランティアなどの取り組みなどについて議論していただく。この会議が皆さんにとって有意義なものになることを期待する」と述べた。会議では県都としての震災復興に向けた取り組み報告も行った。

  式では達増知事が祝辞を述べた。基調講演はテレビ朝日のキャスター経験もある高成田享仙台大学教授が「震災復興と都市の役割」をテーマに語った。昨年2月まで朝日新聞石巻支局長を務め、現在東日本大震災復興構想会議委員でもある。

  高成田さんは同様の大地震が起きた初動期の通信や備蓄、1次避難場所、仮設住宅や公有地の活用の備えを憂えた。復興に向けて「中央集権型の仕組みの問題点が幾つか出てきた」とも述べた。

  震災の教訓を生かすには「地域主権を確立し、実情に合った施策の立案と実行が必要。地方に交付金、基金としてもっと早く供給すれば良かった」と自戒を込めた。縦割りを超えた施策を進め、大都市と地方、地理的相違のある都市間の「安全保障条約」の必要性を訴えた。

  ほかに劇作家の平田オリザ氏、井口経明宮城県岩沼市長、大矢邦宣平泉文化遺産センター館長が一般報告をした。

  12日は今回のテーマを題材にパネルディスカッションが開かれる。広田純一岩手大学農学部教授の進行で戸羽太陸前高田市長や大橋健一和歌山市長、学識経験者、震災で設立されたボランティア団体の代表ら5人が登壇する。市内のほか宮古市や釜石市などの沿岸被災地、平泉世界遺産をめぐる視察も予定される。


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