盛岡タイムス Web News 2012年 10月 14日 (日)

       

■ 通信、給食業務8割に支障 東日本大震災 盛岡圏医療機関を調査 県央保健所

 県央保健所は、盛岡市保健所の協力を得て、盛岡保健医療圏内の全病院・診療所を対象に、東日本大震災時の対応状況などを尋ねるアンケートを実施した。地震による建物や設備への被害は少なかったが、停電や燃料不足によって、ほとんどの施設が業務に支障をきたした。診療所は約半数が1日から3日程度診療を休止した。多くの医療機関が非常時の対策はとっていたが、今回のように災害が大規模で、流通や通信の遮断が長期化した場合の備えは不十分で、態勢の見直しが急がれる。

  調査は昨年12月から今年2月にかけて実施。アンケートを郵送し、震災時の対応状況や院内の防災体制などを尋ねた。病院は対象の全39施設、診療所(病床数19以下)は317施設のうち258施設から回答を得た。

  ボイラーや吸水管の破損など、業務に支障が出るほど建物・設備が損傷した病院は8施設(20・5%)、診療所は12施設(4・7%)。全施設が耐震化や免震化構造になっていたのは、病院で16施設(41・0%)、診療所は116施設(45・0%)だが、比較的、小規模な被害にとどまった。

  一方、通信関係で業務に支障を生じた病院は33病院(79・8%)、診療所は216施設(83・7%)で、多くが外部にいる職員や家族、取引先との連絡が困難になり、情報収集が滞った。

  給食業務も食材確保などで32病院(82・1%)、診療所は給食実施施設34施設のうち27施設(79・4%)が支障をきたし、震災後、保存食材や使い捨て食器の確保、非常時に安定供給してくれる業者の検討などを実施している。

  自家発電装置をあらかじめ備えていた病院は34施設(87・2%)。診療所はポータブル発電機の保有を含めても34施設(13・2%)。自家発電機があっても燃料が確保できず、診療時間の短縮や電気機器の使用制限を強いられた施設もあった。

  医薬品の納入遅延・停止などで業務に支障をきたした病院は23施設(59・0%)、診療所は130施設(50・4%)。停電による冷蔵庫保管薬の使用不可、電話不通による発注業務の滞りなどが目立つ。震災後、備蓄薬品の品目・量の再検討や冷蔵保管場所の電源を新たに確保した施設もある。

  さらに、災害時に連携するための民間病院も含めた組織体制の構築や定期的な合同訓練の必要性、遠方から通院している透析患者の自家用車のガソリン確保など、具体的な課題も寄せられた。

  アンケートを集計した県央保健所の担当者は「直下型地震など直接的な災害であれば、被害はもっと大きかった。病院や診療所よって、それぞれ果たすべき機能が違い、一概に論じられない部分もあるが、最低3日間は自力で病院機能を維持できる備えをしてほしい」と話す。

  病院事務長や専門家の意見を聞く会議を重ね、災害時の医療連携の改善を図るほか、来年度には各病院や診療所の災害に対する備えの「自己点検票」も策定したいとしている。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします