盛岡タイムス Web News 2012年 10月 17日 (水)

       

■ 〈草木の実の版画集〉5 八重樫光行 ツルリンドウ

     
   
     

 里山のキノコ採りに行くと、たまに出合うのが、ツルリンドウ。化粧品売り場のケースの上に置かれた口紅のサンプルのよう。さしずめ森の中で化粧品を陳列して販売をして、キツネ、ウサギがお得意様であろうか…。

  食べられて甘いと聞いたが、赤い実が美しく、採って食する気になれない。宮沢賢治記念館への坂道脇の林に生えて、童話の世界を醸し出していたが、20年ほど前に坂道の周りを刈り払ってしまった。賢治の詩、文は園芸種の花より岩手らしい自然の花が合っていると思えるが…。

  サナヅラ(ヤマブドウの仲間)などもほどよく木に絡み、黒紫色にうまそうになっていたのも全部切り払った。失った貴重な植物を山から採ってきて移植する心配りが必要であり、本当の記念館となるであろう。


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