盛岡タイムス Web News 2012年 10月 26日 (金)

       

■ 〈大連通信〉57 南部駒蔵 ちまき(粽子=ゾンツ)

 「ちまき食べ食べ 兄さんが測ってくれた背の丈」…懐かしい歌である。昔の日本人は、5月5日、こどもの日に、ちまき(粽)を食べた。そのルーツは中国の詩人、屈原の死を弔うことに始まったとされている。いわゆる端午の節句である。中国では今、端午の節句を旧暦で祝い、こどもの日(6月1日)と別になった。

  大連で、そのちまきを売る店がある。店といっても「シャオチャー(小車)」と呼ばれるリヤカーのような小さな車を引いて売って歩くのである。のぼりには「雲南正宗 竹筒粽子」と書かれている。「正宗」は、正統の、正真正銘本物の、というような意味である。雲南省の伝統的な作り方で、ちまきを直径5aほどの竹筒に詰めてそれを取り出して食べる。ちなみに日本では、チガヤの葉に巻いて作ったので、「ちまき」というらしい。竹筒ちまきは竹筒に入っているちまきを外に出して15aくらいの長さにして、それに棒を刺して売る。1個2元で、砂糖をちょっとまぶして売ってくれる。もち米の味と軟らかい感触がおいしい。

  中国に始まったちまきが変化しながらも日本に渡り、物語とともに日本人の生活に定着した。そんなことを考えながら食べるちまきの味は深かった。子規が病気で寝ている時に作った「かしわ餅の歌」も思い出された。子規も昔を懐かしみつつ、かしわ餅を食べたのだった。

  雲南のちまきを食ひて思ひをり 日中のゆかり深かりけるを
  (元岩手医大教授)


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