盛岡タイムス Web News 2012年 10月 26日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉121 草野悟 思惟大橋の絶品うどん

     
   
     

 三陸鉄道北リアス線の「島の越駅」は、大津波で完全消滅しました。十数メートルもあるホームもすべて跡形もなく破壊されました。宮澤賢治の碑だけが奇跡的に残りました。

  この復旧工事が難工事です。ここがつながれば北リアス線の全線開通となります。現在は、小本駅と田野畑駅間をバスでつないでいますので、高校生の皆さんや病院通いのお年寄りの方々にご不便をおかけしています。雨の日も嵐の日も休むことなく復旧工事が続いています。ご苦労さまです。

  近くに食堂などがありませんので、現場の人たちは、そこから20分ほど国道に上っていきます。そこに「思惟大橋 道の駅プラザ」があり、お母さんたちが経営する小さな食堂があります。名物は「鴨だしラーメン」です。

  でもこの日は寒かったので「カレーうどん」を注文しました。名物の豆腐田楽も忘れずに注文です。このカレーうどん、ただのカレーうどんではありません。濃厚なカレーがたっぷりとかかり、はじめはうどんの姿が見えないほどです。甘辛い絶妙なカレーを口に運びますと、ただただ黙々となってしまいます。無我夢中で食べていましたら、隣にも、奥にも作業服を着た人たちが「黙々」をしています。なぜか全員カレーうどんです。連られてしまうんですね。皆寡黙ですが、なぜかモナリザのほほえみなんですね。それほどうまい、という代物です。

  写真をよく見ますと、中央に茶色の塊が乗っています。これがお母さんたちの自慢、「特製みそダレ」です。これを加えますと、味ががらりと変わります。少し辛くなりますが、これはこれで絶妙な味加減を演出するから始末が悪いのです。気がつくと、真っ白なシャツに黄色い斑点が数カ所、「またやっちゃった」と反省ですが、うまかったので自分を許すことにしました。
  (岩手県中核観光コーディネーター)


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