盛岡タイムス Web News 2012年 10月 28日 (日)

       

■ 蒸気機関車のお別れ 保存会が最後の清掃奉仕 交通公園を旅立ち C58現役復活へ

     
  C58 239号の最後の清掃に取り組む保存会と少年団のメンバー  
  C58 239号の最後の清掃に取り組む保存会と少年団のメンバー
 
  盛岡市青山の県営運動公園内の交通公園で保存されている蒸気機関車C58239号が、仮称「SL銀河鉄道」として2013年度復活することを受けて27日、車体の保存に長年取り組んできた盛岡SL等保存会(齋藤徳美会長)の会員らによる最後の車両清掃が行われた。会員や盛岡鉄道少年団のメンバーらは、再び岩手の大地を走るC58239号の姿に思いをはせながら、車体や動輪部を丁寧に清掃した。

  C58形蒸気機関車は1938年から運用を開始し、中型の旅客・貨物両用の万能な機関車として、全国広範囲に配置された。この239号は40年の製造で、72年に廃車となるまで山田線を中心に運用されてきた。73年からは現在の交通公園での保存が始まり、保存会を中心に、毎年春と秋の2回の清掃・整備などが行われてきた。

  約40年経過した現在でも保存状態が良好であることから、仮称「SL銀河鉄道」としての復活が決定。来年度の冬からの運行開始予定で、当初は釜石線を年間80日程度運行し、2年目以降は東北エリアを中心としたイベント運行を計画している。

  27日の清掃には、保存会の会員、盛岡鉄道少年団、盛岡市内のスポーツ少年団に所属する子どもたち、JR東日本の社員ら約100人が参加し、糸くずを集めた専用のウエスなどで車体や動輪を清掃した。

  保存会にはSLの運転や整備に関わっていた人も多く、実際にC58239号を運転していた小原信一郎さん(82)は「山田線で魚を運んでいたときに魚の油がレールに落ちて車輪が空転したり、トンネルでは運転席の中に煙が入り真っ黒になりながら運転した思い出がある」と話し、感慨深げな表情で車両を磨いていた。

  鉄道内のゴミ回収や駅舎の清掃などのボランティア活動を行う盛岡鉄道少年団の子どもたちも、最後の清掃に参加。岩崎雄大君(下小路中1年)は「復活した汽車が走る姿を見たいし、乗ってもみたい」と話していた。

  清掃終了後にはお別れ式が催され、JR東日本盛岡支社から保存会に対して感謝状が贈られた。参加者が万歳三唱し、齋藤会長が車両の先端部に日本酒をかけて、C58239号の復活を祝った。齋藤会長は「復活して岩手の大地を走ることは大変うれしいが、この場でのお別れには一抹の寂しさもある。元気で岩手の大地を走る姿を見守っていきたい」と、C58239号の新たな活躍を祈った。今後は11月下旬をめどに現地解体し、12月上旬に工場に搬送。13年冬以降に釜石線を中心に運行する予定。



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