盛岡タイムス Web News 2012年 10月 29日 (月)

       

■  年輪重ねたトロリン村 村長ソングで記念行事 高松第1町内会と上田中生ら祝う ゆったり、とろーんと10周年

     
  10周年を記念して田口善政村長の演奏でトロリン村の唄を合唱する参加者  
  10周年を記念して田口善政村長の演奏でトロリン村の唄を合唱する参加者
 

 盛岡市高松の市有地に高松第一町内会(鈴木孝男会長)の有志と上田中学校(伊藤好男校長)の生徒が開墾した地域コミュニティーガーデン「トロリン村」(田口善政村長)が10周年を迎えた。同村で28日行われた記念行事には、中学生や地域住民、開墾当時の関係者ら約80人が出席。多くの人たちの交流と体験の場となってきた村の節目を祝った。

  高松の池北側に位置するこの土地は、40年ほど前までリンゴ畑だった。その後、盛岡市が公園用地として取得したが、ニセアカシアやササなどが生い茂る荒れ地で活用が難しく、道路沿いには粗大ごみなどが捨てられていた。

  「なんとかここを活用したい」という当時の町内会長の伊藤利巳さんの発案に賛同した住民有志が、中学生の協力を得ながら2002年に約1fを開墾。鎌やすきなどで切り開いたささやぶには畑や花壇を整備し、ニセアカシアの伐採跡は自生のサクラのほか、ヤマナシやカシワなどの木々が植えられ里山となった。

  開墾した土地には「ゆったり、とろーん、となれる場所に」との願いを込め「トロリン村」の愛称が付けられた。敷地内には木を使った山小屋やつり橋が整備され、地域住民の憩いの場となった。現在は畑での農作業体験のほか、中学生が小学生を村に招待して交流するトロリンピックなども開催している。

  記念式典では、開墾などに携わった地域住民を表彰したほか、田口村長のギター演奏で「トロリン村の唄」を合唱。参加者は「水仙の花歌いだす」「ヒグラシゼミが鳴き出すと」「白鳥大空飛び回り」と、同村の四季が書かれた歌詞を口ずさみながら、高松の池を見下ろす自然あふれる村の10年を振り返った。式典終了後には、モリオカシダレというサクラの記念植樹、畑で収穫した大根を使ったいもの子汁の会食なども行った。

  生徒を代表して櫻茜理さん(上田中3年)は「私たちが小学校に入る前にこのトロリン村ができた。私にとっては小さい頃からトロリン村があることは当たり前で、ほかの地域では体験できないことを体験させてもらった」と村の存在に感謝した。

  櫻さんの村での一番の思い出は、自分たちが運営したトロリンピックで小学生に喜んでもらえたことだという。「ここは人と人の輪がつながる場所。畑や自然に触れ合う機会が減っている時代だからこそ、私たち中学生がこういう体験をこれからの世代に伝えることが大切だと思う」と話した。

  来賓で出席した伊藤校長は「とかく生徒たちは、部活動が忙しかったりで、地域活動にあまり興味関心を示さないことが多いが、ここの地区は見事に子どもたちを巻き込んで活動している。長続きの秘訣は楽しいことではないか」と生徒が地域に入った活動の実践を喜ぶ。

  田口村長は「世代間の交流、農業体験、環境教育と、この場はこの地域に住む人たちが汗を流して共に働くことで心と心が通い合う大切な場に育ってきた。この活動がこの先、15年、20年と続いていくことを皆さんと確認し合いたい」と活動の継続を誓った。


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