盛岡タイムス Web News 2012年 11月 1日 (木)

       

■  〈夜空に夢見る星めぐり〉 八木淳一郎 ペルセウス王子

 秋の代表的な星座の一つに、ペルセウス座があります。夏のお盆の頃にたくさんの流れ星が飛ぶ、あのペルセウス座流星群の名前からもよく知られています。ギリシャ神話では、怪物メズーサを討ち取って、天馬ペガススにまたがって凱旋(がいせん)し、途中、あわや海の怪獣のいけにえにされようとしていたアンドロメダ姫を助ける、まさにジャニーズ系<Cケメンのはしりのような勇士です。そんな、世の女性の憧れの的ペルセウス。そのペルセウス座には、実はさまざまな変態が、いや、天体が潜んでいるのです。

  一つの星座の中で、一番明るい星はα(アルファ)星、2番目のものはβ(ベータ)星、続いてγ(ガンマ)星というようにギリシャ文字による記号が付けられているのが専らですが、このペルセウス座のベータ星には悪魔を意味するアルゴルという名前があるのです。いえ、あまりにもてるペルセウスに嫉妬して悪口を言っているのではありませんので誤解なさらぬように。

  では、どうしてアルゴル(悪魔)などと。一つには、この星が星座絵の怪物メズーサの首にあたる場所にあるからです。しかも、この星が約69時間の周期で規則的に明るさが変わる星だからです。明るさの変わる理由は、暗い星と明るい星が回りあっていて、二つが並んだり、見かけ上、重なりあったりする食変光星と呼ばれるものだからです。これらのことを発見したのは18世紀、イギリスのグドリックという耳と口の不自由な17歳の若者でした。現在では、これらの二つの星に、さらにそれぞれお供の星(伴星)が回っていることが分かっています。

  W字型をしたカシオペア座のうち、δ(デルタ)星とε(エプシロン)星の二つとペルセウス座の間に、双眼鏡でも使いますと、ボーッとした二つの光のシミが並んで見えます。これはh―χ(エッチ・カイ)という名前のついた二つの散開星団です。hは英語、χはギリシャ文字で、別にペルセウスってエッチなの?と聞いている訳ではありません、念のため。まあ、そうかもしれませんが。この光のシミの存在は、はるか紀元前150年には知られていたとのことです。

  望遠鏡が発明されて光の正体が二つとも200〜300個の星の集団であることが分かりました。一般に散開星団と呼ばれる星団は若い星で構成されているのですが、この二つにはいくつもの年とった星が含まれているのです。そればかりかどうして二つ並んで星団が誕生したのかもまだよく分かっていません。

  何にせよ、老いも若きも仲良く活動している姿は、いわば「ふれあいランド」のようで、いいのではないでしょうか。
(盛岡天文同好会会員)


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