盛岡タイムス Web News 2012年 11月 2日 (金)

       

■  若い感性で町に提案 早大生ら 町有地活用策など7案 雫石でモデルP中間報告会

     
   早稲田大学都市・地域研究所が提案する町有地14fの活用プロジェクトの模型を見る参加者ら  
   早稲田大学都市・地域研究所が提案する町有地14fの活用プロジェクトの模型を見る参加者ら
 

 雫石町が早稲田大学都市・地域研究所(佐藤滋所長)と取り組んでいる町総合計画推進モデルプロジェクトの中間報告会が10月31日、同町の雫石公民館で行われた。町民や町職員、町議ら約40人が参加。同研究所の学生らが総合計画に掲げるビジョンを実現するための7プロジェクトを提案した。町有地14fの活用は、医療・福祉、住宅、観光など3つの観点から住民の暮らしと交流人口に言及した。

  提案は▽町有地14f活用▽雫石型自然環境創造▽医療福祉ネットワーク強化▽歩いて暮らせるまちなか居住エリアの再生と町全体の居住計画の再編▽豊かな自然環境を生かした環境学習をベースとした教育の実現▽子どもから大人までが楽しめるレクリエーションエリアの充実▽再生可能エネルギーの活用による地域振興―の7つ。中間報告では、先行して進める3つのプロジェクトを中心に説明した。

  町有地14fの活用プロジェクトは、小岩井農場南側の落葉果樹農業研究所跡に町全体への好影響を与える理想のコミュニティーを形成するための計画。町が抱える課題などから、医療・福祉、住宅・ライフスタイル、観光の3つに着目した案を紹介した。

  医療・福祉では、町内医療機関の医師の高齢化や旧集落が広域に分散し隅々までのサポートの困難さなどを背景に、住宅、特別養護老人ホーム、有床診療所、介護施設、子ども園などを配置した「高齢者も安心して暮らせる医療福祉拠点を併設したエリア」を提案。

  住宅・ライフスタイルでは、雫石らしいライフスタイルや住宅デザイン、町産木材の有効活用などの方策として、雫石型地域住宅の実験開発拠点や雫石ガーデンなどを配置した「雫石らしい暮らしを追求する住まいを開発する先導住居エリア」を提案。

  観光では、小岩井農場や長山街道など町有地周辺が観光エリアとして人気があることに着目し、自然環境学習拠点やオートキャンプ場、中長期型宿泊施設を備えた「観光エリアの魅力の発信と向上を図るための環境学習拠点と宿泊施設」を提案した。

  医療福祉ネットワーク強化プロジェクトは、各診療所を小規模多機能施設として改編することで点在する集落の拠点に位置付け、訪問看護・介護、訪問リハビリを中心とした医療・福祉のネットワークを構築する計画。「鶯宿温泉等の温泉観光エリアの再生」として、観光産業に加えて空き施設を活用した地域医療・福祉を支えるエリアにする考えも紹介した。

  町と同研究所では、今後は関係する町民や地域組織、地元事業者などとチーム会議を開催し、先行プロジェクトを具体化していくための方法を議論していく。来年1月には町有地活用プロジェクトの基本計画や事業内容についての検討会を設置。年度末にこれまで検討してきた成果を発表する。次年度以降の計画は未定だが、町では将来的な構想の実現に向けて取り組みを継続したい考え。

  佐藤所長は「一つ一つのプロジェクトがそれぞれ実行していく方向が違う。うまい体制が組めないとプロジェクトは絵に描いた餅になる。鍵になるのは町民、庁内の組織、企業がどう推進力になるか。プロジェクトの内容もそうだが、これをどう実現し、それぞれの関わり方をどうするかを一緒に考え、実現に結びつけたい」と話す。

  学生の提案を聞いた同町寺の下の浅沼和子さん(73)は「若い感覚での提案をうれしく思う。ただ、新しい構想だけが張り付いても、何回もそういうことを繰り返してきた町なので、今ある町の建物や自然などの資源、財産に付加価値を付けてどう生かして町の発展に結びつけていくかを考えてほしい」と話した。


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