盛岡タイムス Web News 2012年 11月 10日 (土)

       

■ 点火一発の信頼性評価 オヤマダエンジニアリング 木質チップボイラー 東北地方発明表彰で発明協会会長奨励賞に 復興の熱源に期待

     
  装置を説明する細矢社長、新里専務(左)  
  装置を説明する細矢社長、新里専務(左)
 

 盛岡市のオヤマダエンジニアリング(細矢雄二社長)と県工業技術センターが開発した木質チップボイラー「エコモス」が、2012年度の東北地方発明表彰で発明協会会長奨励賞を受賞した。表彰式は14日、青森市で行われる。湿った生の木質チップを自動で連続燃焼する性能があり、従前の海外製より実用性を大幅にアップした。06年から、雫石町の県営屋内温水プールなど県内外に14基稼働し、実績が認められた。環境型の木質バイオマスエネルギーとして、震災後は被災地の住環境の熱源として普及が期待されている。

  装置の開発にあたり、同社は含水率の高い木質チップを自動で連続燃焼するため、灯油バーナーによる独自の着火システムを考案した。炉内昇温時間を従来の半分以下にし、連日の断続運転を可能にした。固形燃料燃焼装置の特許名で「岩手型チップボイラー」として技術を確立。自治体などに実用性が評価され、装置の販売額は09年度の約2千万円から11年度は約9千万円に上った。

  従来普及していた欧州製のチップボイラーは、着火時に炉の温度が安定するまで時間がかかるのが難点だった。同社の新里光男専務は「海外製は水分の多い燃料を燃やし、1日がかりで炉の温度を温め、安定させていたので不便。火を落とすと1日かかり、一度つけると止めにくい。それが着火バーナーを使えば短時間で済んだ」と話し、国内の現場に即して課題解決にあたった。

  03年から県工業技術センターの園田哲也研究員らと研究に取り組んだ。同社が開発設計と施工にあたり、盛岡市の小山田工業所が製造し、グループ企業で製品化した。

  雫石町の県営屋内温水プールでは、重油ボイラーに代わって200`h2基と100`h1基の計3基を導入した。使用チップは地元の森林組合から供給。地産地消の循環型エネルギー利用の取り組みが評価され、「全国新エネ百選」に選ばれている。

  このほか県内の小学校や保育園にも導入され、環境教育の一環を担っている。新里専務は「大迫の保育園が第1号。女性の取り扱いはどうかと思ったが、1年間でとても使いやすいという評判をいただいた」と話す。

  ボイラー免許なしで取り扱い可能な無圧式温水発生機で、24時間連続の無人運転を可能にした。灯油バーナー併用のハイブリット型で、チップが切れても稼働する。重油に比べて燃料コストの割安感が出てから、普及が進んだ。

  震災後は木材を燃料に被災地域の住宅への集中暖房の利用も検討されている。細矢社長は「今後は大型化、可搬型ユニット化を検討している。震災があって現地でお風呂に入れないなどの要望があり、車両で運んですぐ稼働できるものが求められている」と話し、受賞を機に復興の力として、さらに改良に取り組む。



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