盛岡タイムス Web News 2012年 11月 10日 (土)

       

■ 新たなヤミ工事盛岡市で発覚 職員逮捕事件と同じ手口 内部調査限界、癒着風土の指摘

     
   職員逮捕事件関係の新たな不正について説明のあった盛岡市議会全員協議会  
   職員逮捕事件関係の新たな不正について説明のあった盛岡市議会全員協議会
 

 盛岡市発注工事に関する市の内部調査で、職員逮捕事件同様に工事費を不正に水増しして別の工事費に流用させる「ヤミ工事」が新たに発覚した。有罪の確定した元職員が事件の前年に担当し、中央卸売市場から事務委託された事業の工事費を水増しして、県公会堂脇の歩道や三本柳駐車場舗装の整備費用に流用。このため市は9日、谷藤裕明市長の減給や関係職員処分を追加で公表した。しかし、市による「真相究明」の限界、市と業者の癒着体質を指摘する声が議会から出ている。

  同日の市議会全員協議会で説明された。市は谷藤市長と当時建設部長だった白根敬介上下水道事業管理者を1カ月間減給する。2人は既に逮捕事件の引責で10月から12月まで減給が行われている。

  市は逮捕事件同様、元職員単独でなく組織的関与があったと認定。9日付で当時同部道路建設課長補佐の男性部長級職員(59)に減給1カ月、同係長の男性課長級職員(54)に戒告の懲戒処分をした。2人は「知らなかった」と関与を否定しているという。ほかに当時関係工事を担当していた職員1人を訓告にした。

  これで逮捕事件と一連の不正に関する引責・処分は、谷藤市長と白根管理者のほか計11人となった。

  新たに不正な水増しが発覚したのは2006年度に行われた同市津志田西2丁目地内などの旧市場跡地道路整備その4工事。元職員は変更契約で約560万円を不正に水増し。このうち公会堂脇歩道整備に約340万円を、三本柳駐車場舗装整備に約220万円を流用。「ヤミ工事」で整備された。

  旧市場道路は逮捕事件とは別の同市内の業者が受注、施工。公会堂脇歩道と駐車場舗装は異なる下請け業者が施工。これら業者に対する指名停止などは今後検討される。

  また、市は逮捕事件の判決確定後、返還された押収資料を基に、不正の舞台となった09年度の盛岡駅青山線街路築造その2工事の設計額を再積算。公判で判明したヤミ工事以外の別の工事も確認。いずれも必要な工事だったが、正規の手続きをへずに施工された。

  市の損害額は判決で約800万円とされたが、再積算により必要な工事費用を除き348万1800円と定めた。これに元職員が納付済みの業者から利得したビール券相当額50万円を差し引き、事件で有罪の確定した元社員が所属していた恵工業に201万2220円、同じく協積産業に96万9580円をそれぞれ不当利得として返還請求する。

  庄子春治氏(共産)は全協で「内部調査は正直な職員が話した分だけではないか。裁判で(不正は)常態化、組織ぐるみといわれた。本当の解明になっていない」と指摘。「今までの結果が市の調査の限界」と、市議会百条委員会設置を主張した。

  豊村徹也氏(創盛会)は「元職員一人ではなく、市に市職員と業者との癒着の風土があり、今回たまたま元職員が罪をかぶった。しっかりと防止策を打ち出さないと市民の信頼回復は非常に難しい」と、抜本的対策の必要性を強く訴えた。



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