盛岡タイムス Web News 2012年 11月 16日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉124 草野悟 秋はマタタビ採りも

     
   
     

 この方、三陸鉄道の望月社長です。土曜日の休日のひとコマです。震災後、すぐに破壊された現場を全て回って来ることができたのは、地図にもないこの山道を熟知していたためです。とにかく山歩きや海釣りが大好きで、春の山菜、秋のキノコ、夏冬の海釣りと、一年間の楽しみスケジュールが体内スケジュールにインプットされています。

  猛暑からようやく秋晴れが続いていた連休に、取り放題のマタタビを採りに出かけました。宮古を出てしばらく走り、摂待のトンネルを抜けたところの、普段誰も気づかない横道に入り、車を停めます。

  実に無駄のない素早い動作で、長靴、軍手、山菜用の長い鎌、レジ袋、正装の完成です。そこからちょっと歩いてすぐにマタタビの群れを見つけ鎌で手繰り寄せます。社長業の傍ら、いつ、どんなときにここに目を付けていたのか、感心とあきれるばかりの行動力にオーラすら感じます。正味30分程度でレジ袋はいっぱいです。緑の大きな実、黄色く熟し始めた実、マタタビの実が朝日に輝いています。写真からは簡単そうに見えますが、実は足元のすぐ下は崖で川が流れています。樹木の位置を間違えると転落です。したがって私は社長が採っている姿を写真に撮ったり、実をレジ袋に詰めたりと、後方支援に回ります。その方が安全です。

  家に帰り、早速「また旅に出るくらい元気になる」というマタタビ酒を仕込みます。甲類焼酎と氷砂糖、ガラス容器に詰めていきます。糖質制限ダイエットに取り組んでいる関係上、砂糖は極力少なめにします。2カ月もすると、こはく色に輝く「マタタビ酒」の完成です。元気百倍、体力のいる冬の海釣りも平気になります。それにしても、沿岸の山々はマタタビだらけです。それだけ山が荒れているのですね。複雑な気持ちです。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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