盛岡タイムス Web News 2012年 11月 29日 (木)

       

■  〈夜空に夢見る星めぐり〉320 木星観察のシーズン到来

 惑星の王者木星は、大きくて、模様の方も変化に富んでいて、初めての人でも最も見やすく見応えのある天体の一つです。対物レンズの直径(口径)が3〜4aもあれば縞(しま)模様の2本ぐらいは見えますし、まして口径が10a以上ともなりますと縞模様の5〜6本も見えるようになります。ただ、木星に限らず、多くの天体がそうですが、熟練することでさらに細かな模様が見えるようになってくるものです。

  先入感というと善しあしの問題がありますが、予備知識があれば注意力も向くものです。全く知識なくレンズをのぞいては見逃してしまうものも多くなります。

  木星には縞模様のほかに有名な大赤斑(だいせきはん)と呼ばれるものがあります。これは17世紀からずっと注目されている、読んで字のごとく、赤みを帯びた楕円(だえん)形をした模様です。地球の数倍もある大きなもので、一種の台風のようなものと考えられていますが、本当の正体はまだ分かっていません。

  シーズンによって赤みの濃度が増したり、淡くなったり、はなはだしい時には、大赤斑孔(だいせきはんこう)と呼ばれる周りの輪郭だけが見える、といったことも起こります。さらに、白斑と呼ばれる白く輝く小さな斑点状の模様が三つほどあって、これが大赤斑を追い越すときの微妙な現象も興味深いものがあります。また、突発的に暗斑(あんはん)と呼ばれる黒っぽい模様が出現することがあります。もっと厳しい変化が太い縞模様に起こることがあり、ディスターバンス(かく乱)と言って、それまでの縞模様の構造がばらばらになったり、淡くなってしまったり、2本のベルトがくっついて1本になってしまうことがあります。地球の数倍もある大きさでの現象です。地球の気象の異常など比較にならない出来事です。

  私たちの地球を考える上で、木星に限らずほかの天体の現象を捉えることは大変意義のあることです。宇宙では絶え間ない営みが繰り広げられているのだということを、通り一遍の教科書や授業からは学ぶことができません。自然科学を学ぶためには、本物を自分の目で見ることが第一義であることは言うまでもないことです。

  数多くの先人を輩出したことを誇る盛岡です。先達を誇るとともに、未来に向けての人材育成を目指して市民が本物を目にする機会を多く持てるようにする―これこそが市政の真骨頂でありましょう。
  (盛岡天文同好会会員)


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