盛岡タイムス Web News 2012年 11月 30日 (金)

       

■  〈大連通信〉68 南部駒蔵 大連の交通

 中国といえば、よく自転車が洪水のように走っている写真を見かけるが、大連には街中に自転車を見かけることは、ほとんどない。坂が多いため自転車が普及しないのである。これが大連の他の都市との際立った違いである。

  大連の乗り物には普通のバスのほか、軌道(レール)がなく、電線から電力をとって走る「ウークイデエンチャー・無軌電車(トロリーバス)」がある。これは日本の統治時代に作られたものだという。バス料金は大連市内はどこまでいってもわずか1元(時に2元のバスもある)できわめて安く、乗客が大勢乗っていることが多い。中国の人口の多さを感じるのはそんな時である。

  大連駅から開発区、金石灘(チンシータン)の間には、「クワイシューグイダオ・快速軌道(快速電車)」も走っている。開発区は今、急速に発展している地域で日本の企業もここに集中している。

  大連は車が多く、しばしば道が混雑し、渋滞の長い列ができていることもある。タクシーもたくさん走っている。面白いのは「サンルンモーターチャー・三輪摩托車」である。モーターバイクの三輪車で、定員は2人、原則として料金は5元、遠距離に行くには怖いが、ちょっとそこまで行くのに、バスもない、というところではこれが活躍している。私も乗ってみたが力のない車で、道路の端を小さくなって、遠慮がちに走り、いかにも頼りなかった。もともと障害者を乗せるための車であったという。

  また、オートバイのタクシーもある。オートバイの後ろに客を乗せて運ぶのである。これは「モーディ・摩的」と呼ばれている。「摩」はオートバイ「モーターチャー・摩托車」の「摩」、「的」はタクシー「ディシー・的士」の「的」で、つまりオートバイタクシーという意味である。このオートバイによるタクシー営業は法律では禁止されているというが、それほど厳しく取り締まられていないらしく、郊外ではよく見かける。

  こういう乗り物をタクシーとして利用するというところに中国人らしい商魂があると言えるかもしれない。

  子規も5、6歳の子供が野菜を売っているのを見て、中国人は「天性商売にさかしきものなるべし」と書いていたのが思い出される。商売になりそうなものは、何でも工夫してそれで生活の手段に、金を稼ぐのに利用しようとするのである。思いがけない意外な商売はそういう商魂からきている。などと断定的に書いているが、当っているかどうか。中国人からも聞いてみたい。

  大連は目下、地下鉄の工事が急ピッチで進められており、交通渋滞の緩和、排気ガスによる大気汚染の解決が期待されている。

  タクシーに 三輪車あり バイクあり 庶民の脚と 言はば言ふべき
  (元岩手医大教授)


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします