盛岡タイムス Web News 2012年 12月 9日 (日)

       

■  〈ジジからの絵手紙〉25 菅森幸一 杉の葉拾い遠足

     
   
     

 秋が深まるとストーブで燃やすまきのたき付け用に杉の葉を集める遠足が行われる。今では散策路として親しまれている北山から高松の池に抜けるかいわいが目的地で、ジジたちにとっては日頃から遊び慣れた自分の庭に出掛けるようなものだった。旧桜山にある「聖寿寺」脇の百の石段を我先に駆け上がると、杉の古木に囲まれた南部家の墓所があり、そこはもう勝手知ったるホームグランドだ。

  落ちている枯れた杉の葉を手早く集め各自が家から持参した「炭スゴ(木炭を入れる俵のような物)に一杯に詰めるとノルマは完了。あとは集合の笛が鳴るまで遊び放題だ。だから男子の作業スピードは驚くほど早い。

  結構な重さの炭スゴを背中に「丹下左膳」や「鞍馬天狗」になりきったジジたちは、不謹慎にも南部家先祖代々の石塔の周りを存分に暴れまわり作業中の女子からは黄色い声で非難されたものだ。それでも作業が遅れがちな女子の前に、遊んでいる振りをしながら杉の葉を蹴飛ばして、それとなく集めてやったのは当時のジジたちにとって精一杯の女子に対しての優しさだったのかもしれない。


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