盛岡タイムス Web News 2012年 12月 12日 (水)

       

■  大工一徹の経営論 「家は買うもの?つくるもの」創業30年機に出版 小原光秀さん(盛岡市の工務店社長)

     
  「家は買うもの?つくるもの」を刊行した小原さん  
 
「家は買うもの?つくるもの」を刊行した小原さん
 

 盛岡市三ツ割2丁目の小原建設社長の小原光秀さん(57)は、「家は買うもの?つくるもの」を日本建築出版社から刊行した。同社の創業30年を記念し、現場から匠のハウジング論を導いた。「計画から完成までの楽しい物語があってこそ、家族の家の思いが宿る」と、施主と心通う家づくりを唱える。大工一徹の思いが詰まっている。

  小原さんは1955(昭和30)年生まれ。県立盛岡四高卒後、盛岡市の工務店で修業し、82年に独立した。「私が建築業界に入ったのは、37年前の弱冠20歳のときでした。当時は良い建物をつくるために職人は腕を磨き、技術を競い合い、大工も工務店も生き生きした人情味のある時代でした。腕に自信のある職人が自らの手でひとつひとつ心を込めて、納得がいくまで時間を掛けて作っていました」と序文に書く。

  小原さんは「30年が長いか短いかは別に、自分の足跡を確かめたかった。全国の工務店組織で話すと、今の建築の流れは、うちのような地域の工務店が少なくなっている。今の建築は大手のやり方でパターン化し、合理的で便利でもお客さんと親しい関係で施主と一緒に作っていくやり方ではない。初めは安い値段で引き受けながら、値段をじりじり上げて最終的にトラブルを起こすようなやり方ではなく、うそのないやり方をしたい」と話す。

  大手に負けない家づくりのため、工務店にも一層の精進を促す。「大手と比べられて駄目だと言われないよう、工務店もスキルアップしなければだめ。お客さんのニーズに対応して、夢を膨らませてあげるくらいの技術力がなければ」。

  本は「家を持つということについて」「家づくりの業者さがし」「契約から打合せについて」など6章立て。営業、設計、監理、職人の分担や、諸手続きなど分かりやすく助言しながら、施主に求めるものもある。

  「私たちが良い業者であるために、あなたもコミュニケーションを大切にするお客様であっていただきたいのです。お互いが良いパートナーであって、初めて良い仕事ができるのです。プランも予算計画も、良好な意思の疎通がないと適切な間取りや予算が組めません。打ち合せや現場においても家づくりのパートナー、家づくりの友達として楽しく良好な関係を築いていくことが一番重要」。街の工務店の経営哲学としても読める。

  四六判209n。定価950円。


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