盛岡タイムス Web News 2012年 12月 18日 (火)

       

■  「小沢王国」退潮 衆院選の余波 1区で痛い初の敗北 未来の衆院議員2人に 党幹部は強気貫く

 今回の衆院選で、小沢一郎氏(岩手4区・当選)が合流した「日本未来の党」は、県内三つの小選挙区で敗北し、「小沢王国」の退潮が際立つ結果となった。小沢氏は15回目の当選、2区の畑浩治氏は比例東北で復活当選を果たしたものの、知事の妻を擁立し「大勝利」を期した県都盛岡を含む1区では達増知事の初出馬からの連戦連勝が止まり、初の「負け」を喫した。小沢派の議員や支持者からは「先生はぶれていない」「皆さんの気持ちは必ず、こちらに戻ってくる」と強気の声も聞かれるが、「影響力の後退は否めない」との見方が広がっている。

  岩手1区は96年10月の衆院選で小選挙区制が導入されて以来、新進党、自由党時代を含め、前回まで5度の選挙で圧勝。「小沢王国」の力の大きさを印象づけてきた。

  しかし今回は、小沢氏とたもとを分かった階猛氏(民主)がトップで議席を守り、次点の高橋比奈子氏(自民)も比例東北で復活当選。大勝を期して公示直前に立候補表明した達増陽子氏(未来)は3位に甘んじた。

  陽子氏は16日夜、記者団の質問に「小沢先生の力が低下するのではなく、皆様の気持ちがこちらに戻ってくる」と気丈に答えたが、これまで「王国」を支えてきた支持者からは「知事の妻を擁立せざるを得なかったこと自体、厳しい現状の表れ」との声も漏れた。

  古巣の同士と戦った民主党県連の渡辺幸貫代表代行は「小沢先生は、候補を立てる段階で、政治家を育てるのではなく、選挙受けの良い人を選ぶという感じになっていた。そういうところの足元を(有権者に)見られたのではないか」と指摘。「小沢先生についていけば間違いないと思っていた人が結構いたが、全国や岩手の流れを見て意識は変わっていくと思う。意識を変えた人たちを取り込みながら、即戦力の候補を押し出し、安定した政治を作っていく、そういう運動をしていかなければいけない」と話す。

  「王国」の強固さを身をもって味わってきた自民党県連の鈴木俊一会長は、自身を含め4人の衆議院議員誕生を「政界地図が変わった」と喜んだが、小選挙区で勝ち切れなかったことに対し「まだ厚い岩盤が岩手にはあった。これから、その岩盤を変えていく、われわれの根っこをしっかり張っていくチャンスにつなげていかなければいけない」と気持ちを引き締めた。

  全国的には躍進した公明党県本部の小野寺好代表は「民主党のだらしなさに国民の厳しい審判が下った」と受け止め、「県政界の知事に対する姿勢はより厳しくなる」と分析。

  共産党県委員会の菅原則勝委員長は「小沢王国の落日の感がする。民主党が分裂し、県政でも第1党の立場を失ったことが王国の終わりの始まりだった」とし、「今の小選挙区制ではなく、民意が反映される仕組みになるべき」と主張した。

  社民党県連合の細川光正幹事長は、脱原発や護憲といった、これまで党が取り組んできた政策の訴えが、「未来を含め、第三極の多党化の中で埋没してしまった」と振り返り、党勢の立て直しを誓った。

  一方、日本未来の党の関係幹部は強気の姿勢を貫く。合流する国民の生活が第一県連の佐々木順一幹事長は「総選挙そのものに果たして大義名分があったのか。有権者から見れば何が争点かよく分からない」と批判。

  政治改革を主導しなければならないような場面でこそ「小沢先生は動く」。「わが党が唱えた重要政策に共鳴する団体は多く、国民運動的な広がりもある。時間が経てば、あの選挙は一体何だったのかということもあり得る」と話す。

  達増知事も17日、記者団の質問に答え「未来の党は、県内の比例では自民党に匹敵する票があり、これからの日本のあるべき姿について一定の評価を得た」と強調。「岩手が全国の中で新しい政治、改革の政治の一大拠点であるということが大事。今回は異常な選挙。国全体が大政翼賛会的な議席配分になる中で、かなり健闘したことは、次につながる成果になった」と前向きな見解を示した。


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