盛岡タイムス Web News 2012年 12月 22日 (土)

       

■ 地域活性に遺産活用 県立大生の協働研究成果 盛岡市教委提案で初めて実現 学校で「志波城」劇の案も

     
  太田地区活動センターで行われた研究発表会  
  太田地区活動センターで行われた研究発表会
 

 岩手県立大学総合政策学部、盛岡市教育委員会が新たな試みとして行ってきた「まちづくり、地域づくりにおける歴史文化遺産の活用」の地域協働研究発表会が21日、同市中太田の市太田地区活動センターで開かれた。同大の地域環境調査実習を履修する学生が国指定史跡の志波城跡を主体として、地域の文化財を生かしたまちづくりの手法を提案。学生、地域住民ら51人(学生24人)が参加し、意見交換をしながら地域活性化への道筋を探った。

  同教委が同大に史跡、文化財を生かしたまちづくり研究を提案し、実現した事業。同市の志波城跡や大館町遺跡、安倍館遺跡などを見学し、現在整備が活発に行われている志波城をメーンテーマに取り上げた。

  12月上旬、市民約250人に志波城に関する意識調査を実施。「初めて聞いた」の割合が約40%、「行ったことも見たこともない」が60%と、地域住民にも関わらず認知度が非常に低い結果となっている。ほかにも、志波城を建設した人物や、復元整備された公園ということなどについて「分からない」と答えた人の割合が60〜80%と、市民の関心の低さなども露呈した。

  学生たちはA〜Dのグループに分かれ、約1週間行ってきた研究を発表した。意識調査での認知度の低さや関心の低さを踏まえ、「しわまろくん」に続くゆるキャラの作成、若者も楽しめるカフェの設立、ほかの市内文化財も活用したツアー企画など、PR効果も見込んだ史跡活用のアイデアを紹介した。

  グループBではアンケートを通し、史跡の重要性を認識する人が多い一方、史跡の存在を知らない人が多いことに注目。盛岡の歴史を学び、史跡に親しむ方法として、小学校の学習発表会などで志波城を取り上げた文士劇を行うことを提案した。

  同グループの高倉健介さん(3年)は「児童が自ら台本を制作し、実際に志波城跡で発表することで、歴史を体感できる。幼い時期から先人の思いを知り、共感することで、郷土愛を持ち、地元で活躍できる人材の創出にもつながると思う」と話した。

  倉原宗孝同大教授は「今回は地域を訪れての交流となったが、場合によっては地元住民の方々に大学に来てもらっての交流もできると思う。地域との交流を持ち、今後のまちづくり、地域づくりのきっかけとなればと思う」と今後の協働研究への期待をにじませた。


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