盛岡タイムス Web News 2013年  1月  6日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉27 菅森幸一 「四時限目」

     
   
     

 寒くなると学校のストーブにも火が入る。当時は今のような給食はなかったから、生徒は家から弁当を持参した。戦後の1〜2年は戦争中よりも食料が不足していて、お米の弁当を持ってくるのは家が農家(当時は櫻城小学校でも家が農業という子どもが結構いたんだ)の子どもぐらいだ。大部分は「かでメシ」といって、ご飯にイモやダイコンなどを混ぜたものが精いっぱいで、中には代用食といわれたイモやカボチャだけといった子も多かった。

  4時間目開始と同時に、冷たくなった弁当をストーブの周りに並べて温めるのが恒例になっていたが、昼の時間が近づくにつれ微妙な臭いが教室の中を漂い始める。何しろ梅干しや漬物類のオカズが大半だから、熱せられた複雑な臭いが部屋中に満ちあふれると勉強どころではない。

  そのうちに、ストーブの真上の一番良い場所を占拠した弁当が焦げ付き始めると、先生も生徒も授業をホッポリ出して大騒ぎさ。臭いでオカズを当てる名人がいるかと思えば、弁当の置き場所を指示したり、適当に並べ替えたりするおせっかいなシキリ屋がいたりと、4時間目はとっても愉快だったよ。

  


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