盛岡タイムス Web News 2013年  1月  15日 (火)

       

■  再生エネ導入促進ほぼ100%が賛成 紫波町・久慈市民の調査で判明 県立大茅野研究室 今後の政策の重要な指針期待

     
  茅野恒秀講師(右)と学生たち  
 
茅野恒秀講師(右)と学生たち
 

 岩手県立大学総合政策学部の茅野恒秀講師の研究室(所属学生10人)は、昨年8月から9月に「再生可能エネルギーの導入促進に関する岩手県民の意識調査」を実施し、このほど調査結果をまとめた。3・11以前からこれまで、同様の学術的調査はほとんど行われておらず、県内における先進的な研究となる。同エネルギー導入促進について関心や知識、発電事業への参加意欲の有無などを質問。回答した97・4%の人が同エネルギーの導入に賛成するなど、今後の県のエネルギー政策における重要な指針になることが期待される。

  同調査は県の「平成24年度県民協働型評価」業務として実施。人口が同規模で特色の異なる紫波町、久慈市で行われた。両市町とも無作為抽出した20〜70代が対象。紫波町では調査員が155人の対象者宅を訪問し、150人が回答、久慈市では500人に調査票を郵送し、275人から回答を得た。

  茅野講師は調査場所の選択について「紫波町では都市化が進み、木質バイオマスや太陽光発電の先進地でもある。久慈市は山間部で都市化は進んでいないが、再生可能エネルギーの取り組みが今後見込まれる」と理由を説明。

  質問は19項目。主なものは▽再生可能エネルギーへの関心▽同エネルギー導入について▽導入する際に重視する点▽市民出資型同エネルギー発電への参加意欲―の4項目。「調査結果は事前に立てた仮説通りだった。しかし項目によっては、仮説よりも住民の意識は高く、期待が大きいことが分かった」と話す。

  再生可能エネルギーに関心があると答えたのは90%、導入に賛成したのは97・4%で、県民は圧倒的な賛意を持っていることが分かった。

  導入において「安全安心で災害に強い」、「地域活性化」が両市町ともに回答率が高く、エネルギー事業には県内経済の活性化や所得向上の重要な役割も求められている。

  市民出資型の再生可能エネルギー発電について、6割以上が「出資したい」と答えた。「リスクがあるため出資しないという冷静な回答が2割超あり、これが結果の信頼性を高めている。住民が自分たちの力で取り組む意識が半数以上に共有されている」と分析した。

  茅野講師は特徴が異なる2市町での回答に差がなかったため、県民全体の姿とみている。「この調査結果は県における再生可能エネルギーの出発点。住民の多くの支持を追い風に、目に見える範囲で作り使う内発的な手段で行わなければならない」と話している。

  「岩手は資源量の豊富さを強みにして、エネルギーの供給県として大都市圏とつながりを持つこともできる。そのためには、エネルギーの地産地消を達成することが第一歩になる」と今後の県のエネルギー政策に期待した。


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