盛岡タイムス Web News 2013年  1月  16日 (水)

       

■  〈日々つれづれ〉155 三浦勲夫 仕事始め

 官公庁の仕事始めは1月4日だが、商店なら元日から開店する所もある。5、6日の週末を挟んで7日の月曜日から仕事を開始した人たちもある。他方、現役を引退した人たちは自分のペースで、自分の仕事や生活を送っている。

  自分も現役を引退しているが、少しでも余生を元気に過ごせればと思う。そして元気なうちに自分の次の段階なる幕引きの準備もしなければならない。それがこれからの仕事の一部になるぞという気が最近している。「後は野となれ山となれ」では後に残る人たちが困るだろう。

  もちろん他の仕事もある。最近、「小英会話集」を書いている。岩手県に話題を取り、一月から十二月までの話題を英会話にする。一カ月で4題として48個の英会話をひとまず書いた。時には関連した俳句や短歌や歌詞の英訳を添える。地元の学習者や関連方面には役立つかもしれない。NHKの英会話テキストと併用してもいい。48個の会話を書きあげるとそれ以上に話題が出てくる。だから当分続けたいと思っている。今年の生涯学習教室でも教材として使えそうだ。

  自分が興味を持つ仕事をして今年も暮らしたい。思えば祖父母や両親の世代の人たちがいなくなり、自分の世代でもだいぶ他界した人たちが出ている。人生八十年と言われるが、過去には五十年だったり、それ以下だったりした。「つかの間の命」ということが切実に感じられただろう。医療も未発達でこの世の「無常感」もひとしおだったに違いない。

  ひるがえって医療が発達し長生きになった現代だが、認知症に陥る老人が増え、子供の数は減った。一人でも多くの子を安心して生み、安心して育てられる社会の建設が望まれる。子供は宝であるのに、子供たちが自ら命を絶ち、その都度、校内のいじめや運動部顧問や先輩らによる体罰や暴力が話題となる。また交通事故での死者も多い。

  体罰と言えば、昔の小学校でも教師は案外平気で教室で子供たちをたたいていた。たたいた教師の数は少ないが、今はほとんどないというから隔世の感である。法律でも体罰は禁じられている。女性や子供という肉体的に弱い者に対する暴力はトラウマという暗い影を残す。現実社会には暴力が根を絶たないが、なくする努力は続けなければならない。

  最初の話に戻ると、自分は岩手の行事や名所を中心とした「英会話集」を作り始めた。作り出して気がつくことは、2年前の東日本大震災津波にも触れる英会話がかなりできるということである。陸中海岸国立公園について書けば、震災前の素材だけではうそになる。震災、復興、そして未来へと会話を組み立てる。

  俳句を英訳すれば「歳時記」に目を通す。外国から日本、岩手に来る人たちにとっても日本や岩手を理解する一助になる。歳時記には日本の季節、風土、文化、社会のエッセンスが込められている。日本の歌の歌詞も英訳すればポップ・カルチャーの一面が出る。英語の歌の歌詞を日本語に訳せば英語学習も取り組みやすくなる。メロディーは聞き覚えがあっても、歌詞の意味は知らないものだ。英語学習をお年寄りにも、若い人たちにも楽しんでもらう教材開発に挑戦することが今年の計画である。
(岩手大学名誉教授)


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