盛岡タイムス Web News 2013年  1月  18日 (金)

       

■  温熱余熱でCO2削減 燃費改善しボイラ重油カット 環境省が事業費補助 繋温泉大観

     
  導入された大観の熱交換器  
 
導入された大観の熱交換器
 

 盛岡市繋の大観(佐藤康社長)は環境省の補助を受け、地熱利用によるCO2削減事業を始めた。ホテルの温泉の湯の余熱を加えてボイラの重油使用量を削減し、年間323dのCO2の排出を抑制する。熱回収装置を設置して給湯余熱に利用する方式と、水冷ヒートポンプで排湯を熱源に暖房や給湯回路に熱を利用する方式の2系統のシステムを導入した。ボイラの燃費を改善し、温泉の湯を熱交換した水道水を、管内の給湯に利用する。

  同社は盛岡市の繋温泉に湯守ホテル大観を経営している。今年度の国の二酸化炭素排出抑制対策事業費を申請し、1683万円の補助を含む5246万円の事業費でシステムを構築。昨年11月から工事し、年末から始動した。

  これまでホテルにある54度の温泉を、外気温などによって入浴適温に下げ、源泉100%の湯を浴槽に入れてきた。

  システムの1系統は、外界に発散していた湯のエネルギーを熱交換して水道水を40度まで上げ、予備タンクに貯めてボイラに供給する。ボイラで焚く水が初めから高温で供給されるため燃費が向上し、燃料の重油を大幅に削減し、CO2の排出を抑制する。熱交換に利用した湯は温泉用の水槽の「湯畑」に戻して再利用する。

  もう1系統は、これまで捨てていた浴槽の排湯を集めてヒートポンプで70度まで温め、この湯を利用して熱交換器で水道水を70度まで上げ、暖房や客室、調理場などに給湯する。

  同社の下道健一諸施設管理係は「使うほど熱交換される、自然の原理にかなった仕組み」と話す。経費的にも年間約1200万円節減を見込む。

  佐藤義正会長は「無理やり熱を冷ますときの差を利用できないかと思い、今回の事業を考え付いた。そのとき国の二酸化炭素排出抑制対策の補助金事業が環境省にあったので応募し、補助金交付が決定した」と話し、国の環境政策に即して経営努力した。

  「熱の差を活用して、水道水の温度を高める。湯冷まし水路を通して冷やすのをやめ、熱交換器の機器を利用したら、約8度から9度の水道水を、熱交換によって41度まで上げることができた。熱交換をし終わったお湯はもとの湯畑に戻す。すると54度で出発したものが49度で帰ってくる。ちょうどお客さんに提供する温度まで下がって有効活用できる。熱交換器で作った水道水の40度のお湯をボイラに持ってくると、約55度から60度の設定なので、今までより大幅にボイラの燃焼時間が短縮され、重油の消費が減った」と効果を説明する。

  「もうひとつは大浴場から排水や排湯で捨てる湯が出てくる。そのお湯の温度が38度から40度で捨てていた。それを再利用し、熱源に使う。ヒートポンプに排湯を持って行って70度にする。70度の排湯を持って行って熱交換する。排湯はそのまま使えないので、水道水に熱交換し、55度の湯ができる。両方を運用して年間323トンのCO2の排出を抑制する。温泉水を使って地球環境の温暖化防止に貢献したい」と話した。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします