盛岡タイムス Web News 2013年  1月  20日 (日)

       

■ 職員の心身負担軽減を 震災被災市町村派遣 支援求める声

     
  職員派遣について意見交換する県当局と市町村長  
 
職員派遣について意見交換する県当局と市町村長
 

 東日本大震災津波被災市町村への職員派遣について、支援する側の職員確保や実際に派遣された職員の心身負担などが問題となっている。派遣職員の負担については、今年度は昨年7月に陸前高田市へ派遣中だった盛岡市の男性職員、今月初めには大槌町へ派遣中の兵庫県宝塚市の男性職員が自ら命を絶った。県内市町村から支援体制の充実を求める声が出ている。

  「派遣元から預かった職員を任期を全うした姿で戻さなければいけなかったが、今回このような悲しい事故が発生した。まさに戦争での戦死、殉職ではないかとの気持ち。派遣元自治体、家族に誠に申し訳ない。再発防止への取り組みをしっかりとする必要がある」。

  17日に盛岡市で開かれた県政に関する県と市町村との意見交換会で、碇川豊大槌町長は陳謝し、無念さをにじませた。意見交換の中で本田敏秋遠野市長が復興支援職員の派遣体制について問題提起。派遣職員の不幸についても取り上げられた。

  碇川町長はこの中で「派遣職員は職場環境、人間環境などががらりと変わった中で取り組んでいる。長期は何カ月に一度派遣元に戻り、家族を呼んで仕事を見せる。そのための費用負担も必要ではないか。本格復旧には職員確保が課題」と訴えた。

  県によると、今年度の職員派遣は4日現在で必要人数が11市町村合計361人(特別職除く)に対して決定数315人。2013年度の必要数は438人と膨らむ。県内陸や県外の市町村は行政改革の一環で職員定数を削減しており、規模の小さい自治体ほど派遣職員の確保が難しい。

  盛岡市は県内市町村の中で最多の職員を8市町村へ長期派遣している。谷藤裕明市長は「人的にかなり不足しており、引き続き支援したい。ただ当市でも残念な形になった職員がいる。その後追加要請を受け、志願した職員もいる」と説明した。

  「複数人で同じ市町村へ派遣する方が、同じ市町村同士でコミュニケーションが取りやすい。県市長会、県町村会、県、現地で調整しているが、安心して仕事ができる環境が大事。県に総合調整してもらえれば」と求めた。

  本田市長は提案として▽県への全体調整の一元化▽人口や財政規模に応じた無理のない派遣ルール化▽内陸市町村の負担軽減へ職員補充支援(派遣元へ県職員派遣)、退職者再任用、臨時職員雇用の財政支援▽即戦力として県・市町村退職者再任用、派遣職員寮整備やメンタルヘルス対策―などを挙げた。

  不足を補う点については、県職員OBの在籍する法人からの専門職派遣や任期付き職員の採用で経験者は学科免除で素早く採用することなども提案した。

  県の中村一郎政策地域部長は「市長会、町村会とも十分相談し、うまく進められるようわれわれも検討する」と述べた。


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