盛岡タイムス Web News 2013年  2月  1日 (金)

       

■  啄木記念館を譲渡へ 今年11月 財団解散し盛岡市の所有に 顕彰事業を継承 入館者減少と法人改革で

     
  財団を解散し、市へ施設などの財産が譲渡される石川啄木記念館  
  財団を解散し、市へ施設などの財産が譲渡される石川啄木
記念館

 

 盛岡市玉山区渋民の財団法人石川啄木記念館(嵯峨忠雄理事長)は、同記念館の財産を市へ譲渡し、11月いっぱいで解散する。理事会が昨年9月に議決し、同11月に市へ申し入れた。市はこれを受け入れ、啄木顕彰事業の継承を決めた。今年12月に市施設として開館させる。関係条例を3月市議会に提案予定。議決され次第、指定管理者制度による運営に向け、公募を行う。

  同館は1970(昭和45)年に旧館がオープン。生誕100年を機に86年、現本館が開館した。ピーク時は年度で約10万人が入館。その後徐々に減少し、最近では5分の1以下まで入館者が減った。東日本大震災津波では約5千人も減少したが、今年度は震災前に回復したという。

  財団の収入源は入館料と市からの補助金となっている。入館料の減少は財団の経営状況を圧迫した。2006年の市村合併前後から行政に取得するよう求める声が出ていた。

  同時に国からの公益法人改革で、財団は存続に向けて一般財団法人か公益財団法人か選択する決断を、期限の今年11月までに迫られていた。市議会からも市が引き受けるよう求める声が出ており、市側は昨年6月「啄木顕彰の重要施設であり、記念館から申し出があれば対応を考えたい」と述べていた。

  財団は昨年9月24日に理事会(理事10人)を開き「解散、残余財産の処分」を議決。同11月16日に市へ残余財産を譲渡すると申し入れた。市は今年12月1日に市施設として開館するため、啄木記念館条例を3月市議会へ提案する。

  財団の財産は敷地約4100平方bに本館、移築された啄木ゆかりの渋民尋常高等小学校舎と旧斉藤家建物などがある。館内には直筆書簡、ノート、日誌ほか遺品、写真パネルなどがある。

  現在、スタッフは菅原壽館長や学芸員ら6人。うち2人は緊急雇用対策で3月末が期限となっている。学芸員らの雇用は指定管理者が行う。財産の譲渡については開館までに清算手続きなどを経て実施される。

  市所有後の入館料は現行より100円〜150円引き下げ。市内の小中学生、65歳以上は無料とする。啄木祭など地域を含めた関連事業も指定管理者に継承させる。

  菅原館長は取材に対し「現在、没後百年記念事業を通じ、啄木の全国的な人気が高いことを実感した。これからの100年のための顕彰や安定して全国へ発信するために、法人改革で解散を迫られた中で決断が必要だった」と話している。


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