盛岡タイムス Web News 2013年  2月  7日 (木)

       

■  滝沢にも監視帯 マツクイムシへ県対策強化 北上阻止へ市町村連携を 北限を15`北の好摩付近に 指定森林 盛岡715ヘクタール、紫波524ヘクタールに拡大

 県はマツクイムシ被害の防除対策を強化する。北限の盛岡市はじめ矢巾町、紫波町、これまで被害の確認されていない滝沢村も隣接地域として新たに加える。監視帯も、北限を現在より約15`北の玉山区好摩付近までとするなど一気に拡大させる。2013年度は隣接市町村との連携強化などを盛り込んだ実施方針を立てて臨む。被害拡大に伴い増加する駆除量に対応した人員確保も重要な課題となっている。

  内容は6日に盛岡市内で開かれた県森林病害虫被害対策推進協議会(会長・竹田光一県農林水産部林務担当技監、20人)で協議された。

  県によると、今年度上半期の被害は県内33市町村のうち13市町村で確認され、被害規模は2万8108立方b(前年度同期比17%増)。前年度は3万8893立方bで、県別では長野県に次いで4位。1979年度に県内で確認以降、03年度の5万4千立方bが最大規模だった。

  県内では03年度に紫波町、09年度に盛岡市、10年度に矢巾町と北部の被害エリアが拡大。今年度に関しては、昨年9月に盛岡市上米内で北限の被害木が見つかり、それまでの同市新庄より一気に北上が確認された。

  県はこれらを踏まえ、盛岡エリアで防除対策を強化する区域を見直し。森林病害虫等防除法に基づき公益性の高いアカマツを守る高度公益機能森林の指定面積を、盛岡市で53fから715fに、矢巾町で44fから45fに、紫波町で115fを524fにそれぞれ拡大。滝沢村で新規に237fを指定する。

  同じく同法上の被害拡大防止森林に盛岡市126f、矢巾町45fを新規指定。両市町とも初指定となる。紫波町は16fから219fに拡大される。

  監視帯も盛岡市内で拡大、滝沢村で新規設定。2〜7`の幅で被害の点在する先端地域と未被害地域の境に設置され、監視帯内の被害木は全量駆除の対象。これにより未被害地域での被害拡大を阻止するのが狙い。

  盛岡市では東側が市動物公園・岩山付近から玉山区好摩に延長、西側は矢巾町隣接の湯沢から御所湖流域や太田、鹿妻地域に拡大。滝沢村では御所湖以北、鵜飼、巣子、一本木地域まで範囲となり、盛岡市の監視帯と北上を阻止するように設けられる。

  監視帯の拡大については、人の巡回や情報提供に加え、航空写真を活用して監視体制を万全にする考え。

  13年度の被害対策実施方針では、北限の先端地域の盛岡市、矢巾町、紫波町のうち紫波町を高被害地域に編入。被害地域の市町村は隣接市町村と被害状況や駆除方針、対策などを互いに確認し、連携を図る。重点事項にマツ材の移動制限による被害拡大防止、マツクイムシ被害抵抗性品種の開発・普及、適期に確実に駆除できる労務体制の整備など14項目を挙げた。

  委員の盛岡市農林部からは市の審議会でアカマツ被害の北上阻止の徹底を求める声が出たのを受け「対策を新しいステップにするべき」と意見が出た。

  県は「被害確認から34年で直線にして100`、年3`北上した。駆除残が出てしまい、1年たつと見過ごした分の拡大が生じる。全て駆除するにもマンパワーの面もあり、労務不足には全県から人手を集め駆除する方法もある」と説明。県と市町村の連携、13年度から国で復活する補助金の活用も視野に入れた。

  森林総合研究所東北支所の中村克典チーム長は「航空写真で被害木を探すのは全国でも先進的な取り組みであり、発見する量が一気に増えた。今まで見落としていたものが見つかるようになり新しいステップだ。あとはどれだけしっかり処分できるかだろう。市町村境を越えた連携もしており、全国でできなかった対策が盛岡地域でモデル的にできるのではないか」と期待を込めた。
 


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします