盛岡タイムス Web News 2013年  2月 17日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉30 菅森幸一 「電化製品?」

     
   
     

 食料事情の悪化は、各家庭に食材の入手方法やその加工・調理法などの工夫研究を強いることになり、わが家にも父さんの手による初の「電流式パン焼き器」が出現した。木製で内側の一部に銅板が張ってあるだけの危険極まりない怪しげな代物だったが結構活躍することになった。

  豆やトウモロコシなどの穀類は、それまで石臼で挽いて粉にしていたが、「粉ひき器」なるものが市販されてパン作りの必需品となった。今まで見たこともない雑穀を粉にし、さらに量を増やすためにいろいろな物を混ぜて出来上がったパンだけに、お世辞にもおいしいとは言えないが、なんとか空腹を一時しのぐことができた。

  いくらかでもおいしくするため砂糖を手に入れようと苦労したらしいが当時はほとんど無理だった。そこで苦肉の策として畑にしていた裏庭に「砂糖大根」を植えることになった。甜菜(てんさい)やビートと呼ばれるアカザ科の植物で、北海道のような寒冷地でも良く育つという、その根の大根にあたる部分をすりおろしてパン種に混ぜるのだ。口当たりは悪くてバサバサした感じだったが、久しぶりの甘さに感動したのを覚えている。


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