盛岡タイムス Web News 2013年  3月 4日 (月)

       

■  〈幸遊記〉113 照井顕 遠藤広隆の南部駒写真

 「仕事を終えて盛岡から西根町(現・八幡平市)へ帰る車の中で、時折流れてくるジョニーさんの放送、FM岩手の“オール・ザット・ジャズ”を聴いて興味を持った時、叔母さんに盛岡にジョニーが来たよと聞かされ、初めて店に来たその日は“鉄腕アトム”の誕生日で、大人たちがアトムの人形とケーキを囲んでいました」。

  こう言うのは東京に本社のある佐藤写真に籍を置くブライダル写真家の遠藤広隆さん(34)。仕事は主に、盛岡グランドホテルで行われる婚礼のスナップ写真撮影。その結婚披露宴の流れを逃さず撮るための緊張感あふれる仕事なのだと言う彼・遠藤君が、写真にはまったのは中学時代に親戚の人からもらった古いカメラからだった。そのカメラに初めて入れたフィルムは、何といきなりのリバーサルだった。(映画のワンシーンと同じポジ)だから今もスナップ写真による婚礼映画を写してるのかも。

  小学生の頃からTVで映画を見るのが好きだった彼は、映画に憧れ仕事にした場合には、自分は協調性がないので、無理だと思い、自分一人でできる映画の一コマ(写真)の道へ進もうと、平舘高校から渋谷の日本写真芸術専門学校へ入学、白黒写真技術をメーンに学んだ。学生時代にテーマを決めて撮り続けることを教えられて以来、地元の放牧地を中心に「馬」を撮り続けている。「最近は、馬自体の仕事もほとんどなく、頭数も減ってきて、愛玩動物的に飼っているようなのです。何で飼っているのか、誰からも納得のいく答えが返ってこない」のだとも。

  「サラブレットなら動物としてのカッコよさもありますが、南部駒はカッコ悪い駄馬ですから」そう言いながら、そのカッコ悪いカッコ良さに心引かれ続け、撮り続けること20数年。千本近いフィルムに馬を写し、馬の写真展はもちろん「南部馬の里」という写真エッセーを2011年5月から2年間の予定(2013年4月まで)で、当盛岡タイムスに連載中である。

  「南部片富士 裾野の原は 西も東も馬ばかり…」(南部馬方節)。かつて馬と人間が一緒に同じ屋根の下で暮らしていた独特の南部曲がり家も無用となって移築され、和風レストランや民宿へと変身して今に生きている。彼の写真もまた、色あせず未来に生きるのだろう。
(カフェジャズ開運橋ジョニー店主)


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