盛岡タイムス Web News 2013年  3月 5日 (火)

       

■  〈イタリアンチロルの昼下がり〉169 及川彩子 冬の安全の立役者

     
   
     

 2月末の北イタリアは、連日のように雪模様。ウインタースポーツのメッカ・アルプス地方のトリノで、スキーのW杯が開催されたこともあって、どの街も観光客が倍増、ホクホク顔でした。

  ここアジアゴでも、距離スキー部門が開催され、ロシア、ノルウェー、スイスなど、各国の選手たちが街にあふれ、イベントが連日繰り広げられて大にぎわいでした。

  観光客の受け入れもさることながら、市が一番に考慮するのが除雪対策。私がこの街に住んで15年。毎冬、その見事に行き届いた除雪には感心させられます。

  どんなに雪が降り続こうと、主要道路や歩道に積もった雪を、次々に雪捨て場へ片付けてしまう仕事の早さ。雪が降り出すと、周辺の自治体から出動する除雪車は多種多様。雪が凍る前に、路面から根こそぎかき出すショベルカー、巨大スコップで雪をすくい上げる車、道の両側にたまった雪を吸い上げるバキュームカー…。

  この除雪車は、住宅街の私道の雪も、きれいに取り払ってくれます(写真)。私道の場合、通りの世帯数で費用を分担しなければなりませんが、それも一冬でわずか5千円程度。また、どの家にもあるのが、電動式手押し除雪機。日本製エンジン搭載のスマートなイタリア製除雪機は、日本でも人気とか。

  わが家の近所に住むトラック運転手のパオロさんは、冬になると除雪専門業者に早替わり。アジアゴには、パオロさんのような人が少なくありません。

  自宅の車庫に、市から委託された数種類の除雪車を常に待機させ、いざ出動となると、車の通行の少ない夜中から早朝にかけ、無線で仲間と連絡を取り合っての作業です。冷えた体を温めてくれるのが、アジアゴ名物シナモン入りのホットワイン。

  「冬は眠れないよ」と苦笑するパオロさんたちこそ、冬の安全を守る立役者なのです。


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