盛岡タイムス Web News 2013年  3月 20日 (水)

       

■ 県内のタクシー 18年ぶりの運賃値上げ 初乗り1`500〜520円 中長距離ではアップ 多くの事業者来月4日から

 県内のタクシー運賃が1995年以来18年ぶりに値上げされる。東北運輸局岩手運輸支局は管内の自動認可運賃について18日、盛岡市(玉山区除き)、矢巾町、滝沢村の「県A地区」を普通車の初乗り1`500円―520円、盛岡市玉山区、紫波町、雫石町など「県B地区」は同1`500円―520円と公示した。加算料金は80円。現在はA地区が初乗り1・5`560円―580円、B地区が同550円―580円。新料金の1・5`換算では660円から680円に値上げになる。値上げの背景には長年にわたる輸送人員、営業収入の減少があり、経営改善のため、多くのタクシー事業者が4月4日から値上げに踏み切る状況。初乗り500円が主流になりそうだ。

  同局によると、A地区では1月23日から業者の申請を受け付け、18日現在で法人20社、797両、管内全法人車両の85・1%に当たる申請があった。B地区では法人106社、1279両、管内法人車両の89・3%に当たる申請があった。同局は4月1日まで申請を受け付け、メーター交換の上、4日から値上げになる。

  運賃改定の背景には業界の長年にわたる収益悪化があり、2002年の規制緩和以降の競争激化、輸送人員の大幅な減少、リーマンショック以降の収益悪化、燃料高騰などの要因がある。現行のままでは運転者の人件費や安全コストを十分確保できなくなり、輸送の安全確保の観点からも値上げの必要が生じた。

  同局のまとめによると前回の運賃改定があった95年は県内全事業者で約2500万人だった輸送人員は、2010年度には約1379万人に減少。営業収入は約219億9200万円が119億9700万円に、それぞれ半分近く減少した。

  車両数は95年に法人2604台、個人85台の計2689台が、2011年には法人2436台、個人87台の計2523台で、旅客や収入に比べて減り幅は小さい。

  同局輸送・監査部門の福村光正運輸企画専門官は「規制緩和以来、収支が悪化している。人員が落ちた分、台数は減らずに収入は減っており、95年から続く背景があるので、安全運行のためにも改定が必要となった」と話している。

  盛岡市の平和タクシーの國枝康彦社長は「われわれとしてもサービスを上げる必要があるし、経営上もプラスに表れるような料金にしなければならない」と話した。

  盛岡市の岩手ハイヤー社長で県タクシー協会盛岡支部の工藤浩支部長は「震災復興に取り組む時期に上げて良いものか非常に迷ったが、苦渋の選択に至った。規制緩和で大幅に車両が増える一方、乗客は減り続けてきた。燃料費の高騰などのしわ寄せもあり、経営を押し詰めている。乗務員の労働改善を含めてある程度、経営を向上しなければならない」と話す。

  「消費者の公聴会も開き、近距離の買い物客の利便性を図るためのワンコインの料金設定や、免許返納者に対する割引などを通じてサービス向上に取り組みたい」と述べた。


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