盛岡タイムス Web News 2013年  3月 25日 (月)

       

■  八幡平の2校幕閉じる 歴史や誇りいつまでも 相次ぎ閉校式 卒業生や住民も感慨 東大更小 思い出は私たちの宝

 八幡平市で小中学校2校の閉校式が23、24日に行われた。閉校するのは西根地区の東大更小学校(遠藤力校長)、安代地区の田山中学校(佐藤雄心校長)、地域住民が代々通い、スポーツ、文化の拠点としての役割を担い、住民たちの誇りとしてきた。他市町村などへの人口の流出、少子化の影響で児童生徒数が激減し、幾度も話し合った結果、閉校することが決まった。31日付で、東大更小は136年、田山中は66年の歴史を閉じる。4月1日からそれぞれ大更小、安代中に統合する。閉校式では記念碑の除幕や再会を期したタイムカプセルの埋設などが行われた。

     
  「未来に羽ばたけ ひがしっ子」と叫び、記念碑を除幕した児童たち=東大更小  
  「未来に羽ばたけ ひがしっ子」と叫び、記念碑を除幕した児童たち=東大更小
 


  東大更小は1876(明治9)年5月15日に山子沢学校とし開校。それ以前は私塾だった。卒業生は記録のある明治30年代からで約3千人という。

  閉校式は市、市教委、同小閉校記念事業実行委員会の共催で開催。保護者、卒業生、19日に卒業した6年生を含め24人の東大更小児童たちが出席して行われた。

  田村正彦市長の式辞の後、遠藤校長は「数多くの卒業生を輩出し、県内外のさまざまな場所で活躍していることは、輝かしい歴史を物語る。4年生以上の男子全員が取り組んだ相撲、陸上競技会や球技大会などでの活躍、郷土芸能の伝承にも全校で取り組んだ。24人の子どもたちには東大更小の歴史と伝統を含め、この学校で学んだことを誇りに思って、一つ一つの思い出を大切にしてほしい」と、言葉をかみしめるように語った。

  竹田直也PTA会長は「閉校の決定は苦渋の決断だった。閉校は寂しいことではあるが、悲しいこととは思われたくない。大更小との統合は、私たち大人が子どもたちの教育環境を考え判断したこと。夢と希望に向かい大更小に通う子どもたちを心から応援したい」と、閉校への思いを話していた。

  24人の児童たちは「ありがとう、さようなら、ぼくたちの大好きな東大更小学校。たくさんの思い出は私たちの宝物。大好きな学校が心から消えることはない」と話し、学校、地域への感謝の思いを込めて合唱。

  前児童会長の井上八雲(やぐも)君(6年)と同児童会役員の井上和奏(わかな)さん(同)が伝統の校旗を畳み、遠藤校長から田村市長に返納した。

  正門脇に移動し「未来に羽ばたけ ひがしっ子」と刻まれた記念碑を除幕。碑文の言葉を叫び、元気に腕を振り上げていた。

     
  記念碑除幕に続いて、タイムカプセルを埋設する生徒たち=田山中   
  記念碑除幕に続いて、タイムカプセルを埋設する生徒たち=田山中 
 


  田山中は終戦間もない1947(昭和22)年4月1日、旧田山村立田山中学校として開校。昭和38年に舘市、花輪鉱山の両中学校を統合し、安代町立田山中学校となった。卒業生は約4700人、アルベールビル冬季オリンピック金メダリストの三ケ田礼一さんをはじめ、スキーで多くの優秀な選手を輩出してきた。

  閉校式は市、市教委、田山中の共催で、近くの同市立田山小学校体育館で行われた。同中の現校舎は築50年が経過し老朽化が著しく、特に体育館は耐震検査で危険であることが2年前に判明。このため小学校での式典となった。会場には地域住民、12日に卒業した3年生を含めて23人の全校生徒が出席して行われた。

  佐藤校長は「ピーク時に500人を超えていた生徒が、今年度は23人になった。自然環境を活用した冬季スポーツの田山中、スキーの田山中として、輝かしい歴史を刻んできた。この2年間は体育館が使用できない状況の中、生徒は限られた環境で精いっぱい活動し、文化祭でも『感謝』を表現してくれた」と振り返った。

  八幡勉PTA会長は「田山中は地域の活性化に中心的な役割を果たしてきた。閉校は地域、同窓生にとっても感慨無量のものがある。中学校の輝かしい歴史、培われた伝統は受け継がれていくものと確信している。生徒の皆さんには、それぞれの目標に向かってまい進してほしい」と語った。

  23人の全校生徒は「田山に住んでいる多くの人が親から子、孫へと受け継ぐように田山中に通った。田山中からスキーで日本代表になった選手がどれだけ多いか。世界選手権でも活躍してきた。スキーだけでなく、一言では語れない歴史と伝統がある」と感謝の言葉を送った。

  前生徒会長の工藤考太郎君(3年)が校旗を畳み、田村市長に返納した。

  このあと正門前まで移動し「誇りと伝統 永遠に輝け 田山魂」と刻まれた記念碑を除幕。タイムカプセルを埋めた。

  タイムカプセルは2022年8月に取り出す予定で、9年後の自分に当てた手紙、夢や希望、学級目標など「見せられないが、思い出そのもの」という。

  小林美沙樹さん(3年)は「9年後の私も、今とはあまり変わっていないはず」と話していた。


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