盛岡タイムス Web News 2013年  3月 28日 (木)

       

■  〈夜空に夢見る星めぐり〉327 八木淳一郎 宇宙の春

 宇宙の年齢が、これまで考えられていたよりもさらに8千万年高齢であるとの欧州宇宙機構の発表がありました。宇宙開闢(かいびゃく)は今から138億年前ということになります。

  さて、誰もが一度や二度に限らず、宇宙の果ては一体どうなっているのだろうと思ったことがおありでしょう。思い詰めていくと頭の中が混乱し、現実に戻れなくなるような不安を感じて、そこでやめてしまいます。遠く盛岡の街の光を逃れ、澄み切った星空に対峙(たいじ)してみますと、そのような怖ろしい思いをすることなく、素直な気持ちで宇宙の中に溶け込むことができるものです。

  無数と言っていいほど、たくさんの星が輝いている光景に、さまざまな思いがめぐります。ただひたすら星の光がきれいだと思うときもありましょうが、広大な宇宙の中で宇宙に思いをはせる自分がいる、という不思議を感じることもあるのではないでしょうか。人は塵(ちり)にも等しい、ごく小さな存在ですが、それでも宇宙を構成する一員です。そして何より、自分という存在がなければ、宇宙はないも同然です。それは、自分という者がいて宇宙を思うからこそ、宇宙があるからです。この世に生まれてこなければ、そういう意識を持つことはできず、宇宙という広大な世界があることなど知る由もありません。貧困、裕福、都会、地方、アジア、西欧―どんな地域やどんな環境やどの時代に生まれてくるかを選ぶことはできませんが、みな等しく宇宙の一員として存在する―これは当たり前のことのようで不思議なことでもあります。なぜ、地球という名の太陽系の第3惑星に生まれてきたのでしょう。

  太陽系は、さしわたしが10万光年(1光年は約10兆`b)という銀河系の、中心から3万光年という、いわば外れの方に位置しています。おおよそ2千億個の星の集団である銀河系は、さしわたしが6千万光年のおとめ座銀河団に属しています。このような銀河団はいくつか集まって超銀河団を形成しています。こうしてこれまでに発見された銀河の数は数万個に及びます。

  春はおとめ座やしし座、かみのけ座などの星座を目にする季節です。天の川が西の空低くに横たわるので、おとめやししの銀河団など、深宇宙をめぐることのできる時期でもあります。
(盛岡天文同好会会員)


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