盛岡タイムス Web News 2013年  3月 29日 (金)

       

■  〈大連通信〉102 南部駒蔵 日本語熱

 私のフーシャンである王さんは、7月1日に日本語検定試験を受ける。インターネットで申し込みをするが大連ではこの試験の受験希望者が殺到する。それだけ日本語の学習者が多いのである。それは大連に日本企業が進出している、日本との関係を深めていることの証しである。試験は文字、文法、語彙(ごい)、読解が合わせて110分、聞き取りが60分の試験で、N1級からN5級まで5段階のレベルになっている。王さんは1級を受験するというので、何回か、試験問題を見て教えてやったが、結構難しいものもある。読解の問題など日本の国語の試験そのままだ。

  日本語学習者の増加に伴って、これに応えるべく大連には日本語教師の会もあって、毎月指導法を研究している。昨年私も3回ほど参加させていただきその熱意に心打たれた。

  日本語はもう日本人だけのものでない、世界中の人の学ぶ言葉なのだ。それは日本語の歴史の上で初めての出来事である(ただし、植民地として日本語を強制した時代も忘れてはならない。大連でも日本の統治時代の学校に学んだというお年寄りに会って、彼がそのころ学んだ片言の日本語を話してくれたこともある)。

  現在、多くの人が就職のために日本語を学んでいるが、私はそういう人々が、日本語学習を通して、豊かな日本の精神文化に触れ、日本の心を学んでほしいと思っている。台湾にはそういう人たちがいて短歌や俳句の会を開いている。それは戦争のもたらす憎悪の感情を超えている。精神文化に敵も、味方もないのだ。

  日本語は今や世界に広がりつ 日本の心も 学べと願ふ
      (岩手医大元教授)


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