盛岡タイムス Web News 2013年  3月 31日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉33 菅森幸一 怪虫?騒動

     
   
     

 戦後、全国の子どもの6割が「回虫」という寄生虫に犯されているのではと心配された時期があった。回虫は20〜30a位の淡桃色か黄白色のミミズそっくりの寄生虫で、時々学校でもこれを口から吐き出したりする友達がいた。

  回虫は人間の小腸に寄生し一日に20万個もの卵を生み、それが糞尿(ふんにょう)とともに体外に排出される。糞尿は大切な肥料だったから排出された卵がそのまま作物に付着することになる。その農作物を漬物にしたり生で食べる習慣があった農村部では、昔から回虫が原因の病気が多かったらしく、腹痛などの症状のうちはまだしも他の臓器に迷入すると大変恐ろしいのだ。

  この回虫の駆除には学校も懸命に取り組み、検便用にマッチ箱に便を入れて持参する「ウンコの日」や、駆虫剤の飲用を義務づける「怪虫退治の日」など珍妙な行事が相次いだ。最初の頃の駆虫剤は海藻の一種である「海人草」を煮立てた物を飲まされたが、とても臭くて飲めたもんじゃなかった。やがて海人草から抽出したサントニンという薬ができて少しは飲みやすくなったが、決して楽しい行事ではなかったことは確かだったよ。


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