盛岡タイムス Web News 2013年  4月 9日 (火)

       

■  災害時医療の核に 岩手医大(矢巾)に拠点施設完成 全国最大級、人材育成も柱

     
  落成式で行われたテープカット  
 
落成式で行われたテープカット
 

 災害医療に対応できる人材育成の場、医療支援活動の拠点として「災害時地域医療支援教育センター・マルチメディア教育研究棟」が矢巾町西徳田の岩手医科大学矢巾キャンパスに完成した。同学(小川彰理事長)が東日本大震災津波を教訓として設置した、災害対応に特化した全国最大級の施設。免震構造で、災害時には県内災害医療の中核拠点として機能。最先端のシミュレーション機器などを利用し、災害現場で即戦力となる「医療人」の教育を目指す。8日には落成式が同所で行われ、人材の輩出と災害時の活躍へ関係者が期待を込めた。

  東側が同センター、西側が同研究棟の複合施設。▽将来起こり得る大災害をも想定した新しい災害医療の体制づくり▽さまざまな災害医療に対応できる医療人の育成│を目的に、施設整備を進めてきた。同研究棟は、盛岡市の内丸キャンパスから矢巾町の矢巾キャンパスへの総合移転整備事業を視野に入れて設置した。

  同施設のコンセプトは「災害に強い建物」。将来的な医療情報とネットワークの集約を想定し、大規模災害時に県内各病院の患者情報などを保護できる体制を整える。免震構造のほか、非常用発電機も設置。災害時には燃料の補給をせずに熱源で最大7日、発電機で最大3日分の電源供給が可能となるオイルタンクを確保した。

     
   矢巾キャンパスに完成した災害時地域医療支援教育センター・マルチメディア教育研究棟  
   矢巾キャンパスに完成した災害時地域医療支援教育センター・マルチメディア教育研究棟
 


  施設内に高性能機器を活用した人材を育成する「クリニカルシミュレーションセンター」を計画している。12部屋のシミュレーション室では演習の様子をビデオカメラで記録して振り返り、学習効果を高められる。同室の区分けなどは今年度内に完成予定。手術や人工呼吸など実践的な訓練ができる機器はそろえているため、演習や講義などは順次行っていく。

  地上4階建て、延べ床面積約9500平方b。1階に災害・地域精神医学講座居室や研修室。2階に災害医学講座居室、災害時の飲料水などの備蓄倉庫。3階にシミュレーション室、4階に情報関連ネットワークセンターなどを配置する。

  小川理事長は「同施設は県内の災害時の司令塔として機能するもの。将来的には、全県の医療情報を集約し、災害に備えたい。災害医療は究極の総合医療。講義や演習を通して、即戦力となる人材を育てていく」と意気込みを述べた。


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