盛岡タイムス Web News 2013年  4月 16日 (火)

       

■ 被災地の医療を後押し 復興支援のカタール一行 基金活用の市立病院視察

     
   市立病院スタッフによる予防検診のデモンストレーションを見学するカタールの外交官(写真奥)ら  
   市立病院スタッフによる予防検診のデモンストレーションを見学するカタールの外交官(写真奥)ら
 

 中東・カタールの一行は15日来県し、盛岡市本宮の市立病院(加藤章信病院事業管理者)を訪問した。同病院は同国による東日本大震災の復興支援プロジェクト「フレンド基金」に採択され、沿岸被災地の高齢者らに医療支援を展開している。佐々木一裕診療部長らがこれまでの取り組みと今後の活動、基金で購入した車両設備を一行に説明、紹介した。

  一行は駐日カタール国大使館のハッサン・アルヘマイディ2等書記官ら外交官5人と同行者の総勢14人。福島県から同日朝に本県入りした。16日は陸前高田市や釜石市などを訪問し、宮城県も訪れる予定。

  基金に採択されたのは同病院スタッフが震災以降、ボランティアで行ってきた予防検診活動を含む全5項目の「被災地域における地域みんなの心身の健康を守る事業」。同病院とNPO法人難民を助ける会(AAR JAPAN)による共同プロジェクト。昨年10月に採択された。

  事業期間は同11月から2014年6月まで。本県のほか福島、宮城両県も対象で総額4億3500万円のうち市立病院が担うのは「エコノミークラス症候群(避難者血栓症)と生活不活発病の予防検診・早期治療活動」。車両、検診機器など購入費、協力者の旅費・謝金に充てられる。

  具体的には▽超音波診断装置7台▽試薬等検診に使用する医療材料▽検診などに使用する機器を搭載した車両、移動用車両計3台▽被災地の介護施設などへの寄贈車両3台―を購入した。

  これを活用して被災地の仮設団地集会所などで下肢静脈エコー検査、DVT(深部静脈血栓症)検査の予防検診を実施。弾性ストッキング配布と着用指導、運動指導などをする予定。今年度も19日から活動を行う。

  同病院ではこれまでに陸前高田市、釜石市、大槌町などで延べ5千人を対象に検診などを実施。スタッフは車両をレンタルして被災地に行くなど、手弁当で活動してきた。基金により活動の充実が図られる。今後全国の先進例として取り組み、現地の指導者育成も目指している。

  15日は加藤管理者ら同病院、AAR、介護施設などの関係者が一行を出迎えた。活動報告や今後の予定を説明。検診活動のデモンストレーションもあった。カタール側からは事業の知名度を上げ、活動を有意義なものにするよう求める意見が出された。

  アルヘマイディ書記官は「カタールと日本は40年にわたって友情を築いてきた。基金はその友情を基に東北地方の方々に健やかな生活を送っていただくために今後も最大限サポートをしていく」と呼び掛けた。

  ほかに事業では▽被災3県の障害児の教育支援▽福祉活動拠点施設への食品放射能測定器、細菌検査機など提供や特別支援学校、重症心身障害児施設への排たん補助装置提供▽理学療法士、作業療法士によるマッサージ、地域交流イベント開催の健康増進活動―など4項目をAARが担当する。


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