盛岡タイムス Web News 2013年  4月 20日 (土)

       

■ 汚水の河川流出を抑制 盛岡市が供用開始 雨水高速処理施設が通水

     
  テープカットなどが行われた雨水高速処理施設の通水式  
  テープカットなどが行われた雨水高速処理施設の通水式
 

 盛岡市による河川の環境保全を目的にした雨水高速処理施設が3月に完成し、今月から供用開始された。合流式下水道のため北上川、中津川、簗川へ雨天時に雨水とともに流れ込むトイレなどの未処理水(汚水)を従来よりも抑制。市民の憩いの場所でもある河川の水質汚濁改善、公衆衛生上の安全確保、ごみなどの流出抑制が図られる。19日、同市東安庭2丁目地内の現地で通水式が行われた。

  合流式下水道は汚水と雨水を同一の管で排水する方式。これに対して管を別々に排水するのが分流式。市では1953(昭和28)年に菜園地区から合流式下水道の整備事業に着手。65年に合流式下水道処理施設として中川原終末処理場を供用開始した。

  今年度から汚水処理機能を流域下水道の都南浄化センターに切り替え、廃止。合わせて雨天時の河川への未処理水流入を抑制するため、合流式下水道の緊急改善事業として2005年度から雨水高速処理施設整備事業に着手した。処理対象は内丸、菜園、河南地区の312f。

  施設は中川原終末処理場敷地内に08年度から鉄筋コンクリート造り4階建てのポンプ棟、簡易水処理施設などを整備。事業費は約31億8千万円。東北では福島県南相馬市に小規模な処理施設があるが、盛岡市は寒冷地仕様の施設を技術開発して整備。冬季間の凍結を解消する構造になっている。

  施設は雨天時に従来だと直接河川に放流されていた家庭からの汚水を受け入れる。特殊高分子のろ材でろ過するなどして高速で浄化。ろ過水は北上川へ、処理で生じた汚水は都南浄化センターで処理される。

  市上下水道局によると、供用開始により雨天時の未処理水の河川への放流量を00年実績の576回から今年度281回に半減。同時に汚濁物質の流出量を00年度実績134dから75dまで削減。雨水吐(ば)き室12カ所にごみくず類の除去施設を設置して流出量削減が図られる。

  通水式には市関係者や地域住民、工事関係者、来賓らが出席。記念のテープカットとくす玉割りが行われ、供用開始が祝われた。

  谷藤裕明市長は式辞で「市では市街地の進展とともに下水道整備区域拡大に努め、12年度末までに処理人口約26万人、普及率88・3%、処理面積4800fとなった。合流式は雨天時に下水が処理されぬまま河川に排出される。国が緊急改善を事業化した。施設は大きな効果がある最新技術を取り入れた。河川の水質保全に多大な効果をもたらす」と期待を寄せた。


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