盛岡タイムス Web News 2013年  4月 28日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉35 菅森幸一 三角乗り

     
   
     

 当時はどこの家にも自転車があるという時代ではなく、まして子ども用や今でいうママチャリと称する便利な物も当然なかった。あるのは重くてゴッツイ「実用車」と呼ばれる代物で、子どもが乗ろうとしても座席が高すぎてペダルに足が届かない。だから足を真ん中の三角の部分にもぐり込ませて無理な姿勢で反対側のペダルに足をつけてこぐ「三角乗り」というやり方でまず練習を始めるんだ。

  この「三角乗り」は反対側に思い切り体重を掛けなければバランスがとれないので、慣れるまではよくひっくり返って生傷が絶えなかった。ようやく乗りこなせるようになるまでには何度も地面にたたきつけられたものだから、体中は赤チン(赤い色をした傷口消毒液マーキュロクロム溶液の俗称)でアッチコッチが真っ赤になる始末さ。

  しかし、とにかく自転車に乗れるようになりたい一心で、この不自然な体型での猛練習を続けたものだ。舗装された練習場は少なく不整地での練習だから、特にも女の子が見ているのを意識したりすると、やたら張り切って、とんでもない大けがをすることもあったネ。


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