盛岡タイムス Web News 2013年  5月 5日 (日)

       

■ 網針で編み物教室 佐々木さん(山田町出身)を講師にミニハンモックやバッグなど

     
  網針でバッグなどを制作中の生徒ら  
 
網針でバッグなどを制作中の生徒ら
 

 山田町出身の元漁師、佐々木勝正さん(68)=盛岡市=は、漁網の技を使った編み物教室を盛岡市鉈屋町の消防団第2分団旧番屋で開いている。道具は網針(あばり)。参加者は、たこひもや麻を材料に、ミニハンモックやバッグ、あかすりなどの制作に挑戦している。

  「明治橋しか知らない」「明治橋も分からないよ」「車じゃなくて、歩かないば分からない」。編み物のリズムで、おしゃべりも弾む。

  現在の生徒は8人。3・11を境に盛岡市に転入してきた人や根っからの盛岡人など、おのおのの境遇はさまざま。佐々木さんの浜言葉が響く教室で、同じ目標に向かって時間を共有している。

     
  漁網の技で編んだ作品例  
 
漁網の技で編んだ作品例
 



  生徒の一人、藤原昌子さん(67)=同=は、復興支援のバザーで佐々木さんの商品に出合った。繊細な編み目のあかすりを見て、「きれいだな」とショックのような感動を覚えたという。「私も覚えたい」と迷うことなく教室に参加。「楽しい」と笑顔で手を動かす。

  大槌町出身の吉田キヨさん(69)=同=は、全てのアイテムが完成間際。「バッグにはスカーフを中に入れよう」と、自己流の使い道も膨らんでいる。「こういう教室はチャンス。手作りが好きで今までは針やのりだった。これは漁師の仕事で全然違う。でも楽しい」と話す。そして「泣くのが過ぎた」と今の心境を顧みる。

  「(教室で)皆さんに会えた。皆さんのお話を聞いて楽しいですよ」と話すのは、吉田さんと同郷の新里富美子さん(70)。転入先の盛岡で再会を果たし、こうやって同じ教室に通っている。

  そして、佐々木さん自身も東日本大震災津波で自宅を奪われ、盛岡に転入した一人。日々を過ごす中で、「支援だけ受けていても駄目」と外に出るようになり、2012年からハンモックやバッグの制作販売を開始。同年秋から、一般社団法人SAVE IWATEの協力で教室を始めた。

  「こういうのがまさか役に立つとは思っていなかった。皆さん予想外に一生懸命でやりがいがある」と佐々木さん。生徒は常時、募集している。「皆さんの希望があれば、続けていきたい」と考えている。

  次回は、5月下旬の予定。問い合わせは、もりおか復興支援センターの山本さん(電話654−3521)へ。


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