盛岡タイムス Web News 2013年  5月 6日 (月)

       

■  盛岡と沿岸被災地つなぐ ゆいネット盛南が交流支援事業 地域を越えた支え合い

     
  交流支援事業の準備を進める交流支援員の菅野創一朗さん(左)と事務局の藤村幸雄さん  
  交流支援事業の準備を進める交流支援員の菅野創一朗さん(左)と事務局の藤村幸雄さん
 

 盛岡市本宮地区の市民グループ・街づくり集団「ゆいネット盛南」(泉舘正彦会長)は、市内と被災地の町内会やスポーツ少年団などをマッチングし、交流イベントを企画する地域コミュニティーの交流支援事業を開始した。震災津波の記憶を風化させることなく、将来にわたって異なる地域のコミュニティー同士が支え合う関係を築く狙いがある。「市民一人ひとりが復興の架け橋に」と願いを込める。

  同事業は、国の緊急雇用創出事業を活用した同市の復興支援事業の一つ。事業費は約480万円。公募でゆいネット盛南に事業委託した。

  沿岸被災地と交流し復興支援に取り組みたい盛岡の町内会やスポーツ少年団、趣味の団体などを募集。ニーズのある沿岸被災地の団体とマッチングし、交流イベントを企画、運営する。

  専門の交流支援員が、団体同士のマッチングからイベントの準備、企画運営までサポート。交流試合や焼き肉パーティー、ホームステイなど、参加する団体の知恵や力を借りながら、一緒に企画を組み立てていく。内陸と沿岸を行き来する交通費など経費の一部も補助。今年度内に少なくとも四つマッチングを成立させ、交流イベントを実施するのが目標だ。イベントをきっかけに「お付き合い」を深めてもらう。

  ゆいネット盛南は、盛南開発で急速な都市化が進む中、薄まりつつあった地域の絆を取り戻そうと住民有志が2006年6月に立ち上げた。東日本大震災津波の際は、陸前高田市の被災者への救援物資の提供や買い控えで困っていた酒蔵を応援するためのイベントなどに取り組んだ。昨年は地元に開設された市の復興支援学生寮「しぇあハート村」との交流も深めた。

  しぇあハート村は、盛南開発で一時的に転居する世帯のために都市再生機構が整備した住宅を活用。沿岸学生のための寮と併せて復興支援団体が集まる活動拠点にリニューアルが進んでいる。ゆいネット盛南も、村内に「ゆいハウス」を開設して交流支援事業の活動拠点とする予定だ。

  事務局の藤村幸雄さん(63)は「離れた地域の知り合いが、いざという時、ものすごく大きな力になる。災害はいつどこで起こるか分からない。何があっても対応できる人と人とのつながりを育てたい」と話す。沿岸地域での勤務経験も生かし、沿岸の団体の情報収集を進める。

  交流支援員に決まった菅野創一朗さん(24)は岩手大に在学していた昨年、復興を祈念して盛岡広域8市町村が市民グループに委託し共同製作した映画「ひとつ」に主演した。さまざまな人と触れ合い、多くを学んだという。

  「被災地を支援するため、何かしたいと思っている人は大勢いる。うまくいかなかったり、すれ違ったりすることもあると思うが敷居を低くし、誰もが輪に入れるよう工夫していきたい。お互いの得意分野を生かしながら、プラスの方向へ持っていければ」と意欲を燃やしていた。

  交流支援事業の参加希望団体は24日まで受け付けている。問い合わせはゆいネット盛南(盛岡市本宮6丁目10の15、電話635―7990)または藤村さん(電話090―5843―0485)へ。


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