盛岡タイムス Web News 2013年  5月 12日 (日)

       

■ 復興支援の新拠点に しぇあハート村(盛岡市開設) ボランティア宿泊など機能を拡張へ

     
  しぇあハート村に開設されたSAVE IWATEのボランティア番屋。看板設置など本格的な活動に向けた作業が進む  
   しぇあハート村に開設されたSAVE IWATEのボランティア番屋。看板設置など本格的な活動に向けた作業が進む  

 盛岡市が、独立行政法人都市再生機構(UR)から無償譲渡された同市本宮5丁目の住宅25戸を活用して開設する「もりおか復興推進しぇあハート村」の開村準備が進んでいる。2012年度開設した被災地出身の学生のためのシェアハウス(復興支援学生寮)に加え、復興支援活動に取り組む団体のためのシェアオフィスやボランティアが無料宿泊可能なボランティアハウスなどもオープンする。さまざまな団体や地域の人たちが交流し、知恵を出し合うことで、被災地のニーズに沿った息の長い支援活動を目指す。

 住宅は、盛南開発で住民の仮住まいとして整備された4LDKの一戸建て。25戸のうち8戸は昨春から市に無償貸与され、復興支援学生寮として活用していた。学生と地域との交流を推進する中で、村全体を市の復興支援拠点として発展させるアイデアが生まれた。

  村内の1戸は交流支援棟とし、町内会やスポーツ少年団など盛岡と沿岸被災地の地域コミュニティー同士の交流を促進する新たな事業を開始。本宮地区のまちづくり団体・ゆいネット盛南(泉舘正彦会長)が市の委託を受けて取り組む。

  被災地で活動するボランティアの無料宿泊所には2戸を充て、男女各10人程度が無料で宿泊できる環境を整える。生活困窮者へ物資支援などを行う事業と合わせて被災地支援チームSAVE IWATE(寺井良夫代表理事)が運営。SAVE IWATEは、これまで鉈屋町の旧番屋にあった拠点を移転し、村内の1戸に「ボランティア番屋」を開設した。

  復興支援に取り組む団体が、部屋を分け合って利用するシェアオフィスは2戸。公募で、いわてゆいっこ盛岡、NPO法人遠野まごころネット、ハートニットプロジェクトなど7団体の入居が決まった。盛岡地域の復興支援団体37団体で組織する「もりおか復興支援ネットワーク」の事務局も置く。

  このほか、学生や入居団体のスタッフ、地域住民が交流できるコミュニティーカフェや、デジタルコンテンツ関連の企業やクリエイターのためのシェアオフィスの開設準備も進んでいる。

  SAVE IWATEはボランティアのマッチングや内陸避難者が料理などを作って交流する「こびるの会」などにも継続して取り組む方針。震災の記憶を風化させないよう内陸の人が沿岸被災地に直接、触れる機会も考えていきたいという。

  ボランティア番屋リーダーの千村真一さん(42)は宮古市出身。震災後、盛岡に避難し11年10月から同団体で活動している。「沿岸被災地のニーズは、物資支援から人と人とのつながりを大事にした心のケアに移っている。自ら立ち上がろうとしている地元の人たちをサポートし、まちおこしにつなげていければいい。他の支援団体とも情報共有していきたい」と意欲を燃やす。

  復興支援学生寮はこの春、7人の新入寮生を迎え、男女16人が5棟をシェアして新生活を始めた。

  山田町出身で岩手大工学部1年の鈴木祥真さん(18)は「先輩や後輩とも積極的に触れ合いたい。しぇあハート村で行われるボランティア活動にも、できるだけ参加して新しい人間関係を築いていけたらいい」と話す。

  地域の人たちも文房具類を寄付したり、村内の草刈りに参加したりと沿岸から来た学生たちを気遣う。学生支援員の菊池充恵さん(54)は「徐々に打ち解け、お互いに会釈し合うような関係も生まれてきた。学生さんたちに、地域の人たちの思いも伝わるよう工夫していきたい」と見守る。

  同市は、しぇあハート村の運営や地域コミュニティーの交流支援事業など関係事業費として13年度予算に5728万円を計上した。うち5368万円は緊急雇用創出事業。

  同市危機管理課の藤澤厚志課長は「市だけではできないことを、民間の力も借りて、つくり上げていく。いろいろな人が集まり、協力し合って支援の輪が広がってほしい。盛岡の被災地支援の在り方が発信できれば」と語る。開村式は28日の予定。


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