盛岡タイムス Web News 2013年  5月 12日 (日)

       

■  始まりにしたい 大槌で絵画展「めばえ」 きょうから 佐藤茜さん(岩
手大学教育学部)

     
  大槌町で個展を開く佐藤茜さんと展示予定のペン画「銀河鉄道」(9日、岩手大で)  
   大槌町で個展を開く佐藤茜さんと展示予定のペン画「銀河鉄道」(9日、岩手大で)
 

 岩手大教育学部芸術文化課程3年の佐藤茜さん(20)=盛岡市=は12日から、大槌町で絵画展「めばえ」を開く。日本画とペン画の6作を発表。佐藤さんは「始まりの展示にしたい」と話している。

  展示予定の「銀河鉄道」は、黒一色のペン画。丸や楕円(だえん)が有機的なつながりを帯びて、辺りを満たしていく。木綿の布という飾り気のない素材に黒の油性ペンで思いのたけをぶつけた。

  制作はアルバイトが終わり、夜も深まった頃、地道に描き足していった。「今まで真面目に優等生ぶって描いている部分があって、それを取り払いたいと思った。周りに引かれてもいいから、やりたいことを出し尽くそう」と、自分の殻を破った作。

  日本画では、生命そのものを描いた。梅の花では、ごつごつとした枝ぶりに花のかわいらしくもはかない感じを表現。飼い犬では、旅立ちの間際に見た生命力の強さを際立たせた。いずれも「元気づけられるような絵を」と思って描いた。「オーナーの佐々木さん夫妻が手入れをしている庭の花と一緒に見てもらえれば」と話す。

  会場は、ベルガーディア鯨山の森の図書館。辺りは、ハーブガーデンやロックガーデンなど、イギリスのカントリーサイドをイメージした自然豊かな場所。個展名の「めばえ」は、その庭から連想して名づけた。

  佐藤さんが大槌町を訪れたのは昨年の秋だった。被災地に住む子ども向けのワークショップの手伝いで出向いた。震災後、初めての沿岸。「ワークショップの1回きりでお別れではなく、何回も行ける関係になれれば」と思い、自らの意思で展示を申し込んだ。

  大槌町の印象は「盛岡にいる時より、空がきれいだなと思って。海から見える突き抜けた景色はなじみがないので」と振り返り、「会期中にスケッチもできたら」と話す。

  個展は中学生ぶり。「自分自身も芽生えのある展示にしたい。地元の大槌の方に来てもらったり、盛岡の方が沿岸に足を運ぶきっかけになれたらうれしい」と話している。

  会期は6月2日まで。ベルガーディア鯨山は、大槌町吉里吉里9の36の9。午前10時から午後4時(最終日は同3時)まで。月曜は定休。会場への問い合わせは、電話(0193−44−2544)へ。


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