盛岡タイムス Web News 2013年  5月 16日 (木)

       

■  参院選いわて2013 対決の構図 ほぼ固まる 岩手民主分裂で増す混迷度 岩手選挙区 現職に5新人の争い濃厚

 夏の参院選岩手選挙区(改選1)は主要政党の候補者の顔ぶれが固まり、本格的な前哨戦に突入する。6人の出馬は過去最多で激戦は必至の情勢だ。昨年の民主党分裂で、県内の旧民主党勢力は、小沢一郎氏率いる生活の党と同氏と一線を画す現在の民主党とに分裂。さらに民主党の中核にいた平野達男元復興相(59)が無所属に転じたことで、勢力的には3分割される事態となった。民主、生活、さらには平野氏の動向を視野に態度を検討している支持者も多く、公示まで2カ月を切った短期間で、どこまで支持を固められるかが焦点だ。一方、自民党は最大の対抗勢力が分裂し、県内政界で主導権を取り戻す絶好の機会。政府与党の面目を懸けて支持拡大を図る。

  これまでに立候補を予定しているのは、現職の平野氏のほか、民主党の吉田晴美氏(41)、自民党の田中真一氏(46)、共産党の菊池幸夫氏(54)、生活の党の関根敏伸氏(57)、幸福実現党の高橋敬子氏(51)の5新人。

  北上市の県議の関根氏は14日午後、盛岡市内で小沢氏とともに出馬会見。夕方には同党から比例代表に出馬する藤原良信参議院議員(61)の国政報告会に合流し、約700人の支持者を前に決意を示した。

  生活は当初、非自民での野党間共闘を模索。しかし、民主党県連が吉田氏の擁立を決めたことで断念し、地元と関わりが深い県議を対抗馬にぶつけた。北上市は小沢氏の影響力が最も強い衆院岩手4区。同市を主要な地盤とする平野氏の支持層を切り崩し、一気に全県へ支持を広げる狙いだ。

  参院選は、昨年の民主党分裂、衆院選で勢力の後退を余儀なくされた小沢氏にとっても、威信をかけた選挙。他党の県議の一人は「小沢さんの命運を懸けた戦い。(小沢氏に近い)達増知事をはじめ、一丸になってがむしゃらに頑張るだろう」と警戒する。藤原氏の国政報告会に出席した達増知事は「関根さんの立候補も決まった特別の日。岩手から政治を変えよう」と応援演説した。

  関根氏は県議の間でも「政策通」「良識派」と評価する声が多い。別の県議も「生活の党としては最良の候補。大変な戦いになった」と語る。ただ、有権者が集中する盛岡地区の生活所属県議は、滝沢村の喜多正敏県議一人。関根氏自身、盛岡や沿岸地域での知名度は低く、短期間でどこまで浸透できるかは未知数だ。

  一方、平野氏は3月に民主党を離れ、無所属での出馬を表明。知名度と実績で他候補に勝るが、北上後援会が設立された以外は、これまで目立った運動はできていない。北上で事務所を守る秘書は「決して雲隠れしているわけではなく、頻繁に地元に戻り、ピンポイントで支持者にお願いしている」と話す。

  北上地域の関係者の一人は「当初は自民系の支持者も平野さんを応援していたが、自民も北上で働いたことのある田中氏を立てた。生活は関根氏。厳しい戦いは間違いない。勝敗は『つじ立ち』でも何でもして、知名度を維持できるかにかかっている」と分析してみせた。

  平野、関根両氏の同郷対決がにわかに注目を集める中、民主党は連合岩手、岩手友愛会など労働団体とも連携し、急きょ候補に選んだ吉田氏を押し上げる構えだ。「言い古された訴えのように捉えられるかもしれないが、それでも復興に女性や家庭人としての視点は大事だ」と県議の一人。

  同党県連の階猛代表は、憲法改正など国論を二分する課題が山積している中で「政権の経験があり国民の常識に合っているのが民主党。勢力を伸ばせなければ民主主義の危機だ」と覚悟を示す。ただ、県連内には平野氏と近い議員も多く、一枚岩とはなれないのが現実。別の県議は「一本化は難しい。地域の支持者の事情も異なり、温度差があって当然」と話し、県連内で別々の候補を応援する事態もやむを得ないと受け止める。

  旧民主党勢力が3分割される中で、自民党は県内政界での主導権奪還を狙う。同党県連の千葉伝幹事長は「他党から誰が出ようと衆参のねじれを解消し、日本、岩手を取り戻す」と意気込む。岩手とのゆかりが薄い田中氏も「復興は政府与党にしかできない」と強調し浸透に懸命だ。党本部も小泉進次郎代議士ら知名度の高い国会議員や幹部を沿岸被災地に頻繁に送り込み、バックアップする。

  候補が乱立する中で菊池氏を擁する共産党は、保守勢力の真の対立軸としての存在感を強調。同党県委員会の菅原則勝委員長は「二大政党制は破たんしている。三党合意で消費増税を決めた自民、公明、民主、それぞれに責任がある。国民の願いをかなえるのが、わが党であることを訴える」と力を込める。

  独自候補擁立を見送った社民党県連合の細川光正幹事長は「思いを共有できる党と候補者ならば協力関係を結ぶ。どういう形でやるかはまだ決めていない」と話し、他党の動向を引き続き注視する。


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